榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

「2:8の法則」の「2の部分」を見つける方法とは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(228)】

【amazon 『「超」集中法』 カスタマーレビュー 2015年11月17日】 情熱的読書人間のないしょ話(228)

散策中に、女房が、わあ、かわいいと駆け寄った先に、紅葉したハート形のツタがありました。イチョウはすっかり黄葉しています。畑では、ダイコンが干されていました。我が家の庭の片隅では、小さな白いキクが咲いています。因みに、本日の歩数は13,234でした。

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閑話休題、『超」集中法――成功するのは2割を制する人』(野口悠紀雄著、講談社現代新書)で、自分の集中法を点検することができました。

著者は、従来の2:8の法則について述べた本は、●コア(核)は、どうすれば見出すことができるのか? ●コアが変化したとき、どのように対応したらよいのか?――という問題には答えを提供していないと切り捨てています。

2:8法則を応用しようとするとき生じる問題として、●どうやってコアを見出すか? ●変化する2割にどう対応するか? ●分かっていても実行できない場合にどうするか? ●コアではない8割は無視してよいのか?――の4つが挙げられ、それぞれの答えが具体的に示されています。

上記の「コアでない8割は無視してよいのか?」に関し、少数派に注力する「ロングテール」、滅多に現れないもの、または出現しないと考えていたものが、社会に大きな影響を与える「ブラック・スワン」をどう考えたらよいのかという問題が提起されています。「ブラック・スワンやロングテールの指摘は、2:8法則を否定するものではありません。ブラック・スワンの議論のポイントは、『まれにしか起こらない現象の確率を定量的に評価できない』ということです。また、ロングテールを活用するビジネスは、ごく特殊な条件の下でしか実現できません」。

試験勉強の方法を述べた章で、興味深いアドヴァイス――●過去問から試験のコアを見出す、●図書館の本を見るとコアが分かる(本を下から眺めると、大勢の人が読んだ箇所は黒くなっている)、●受験秀才は必ずしも社会で成功しない――が目につきました。

変化するビジネスのコアを掴む方法の章では、●経営者が大局観を持つためには教養と歴史の知識が重要、●中間管理職や最前線ビジネスパーソンは、「第1に、自分が担当している事業について、できる限りデータを用いて定量的に把握する必要があります。・・・エクセルのグラフだけでコアがすべてつかめるわけではありません。では、数値で表しにくいものについてコアを見つけるには、どうしたらよいでしょうか? こうしたものについても、ノウハウがあるはずです。あなたの職場を見渡してください。ヒット商品や企画を連発したり、どの地域を担当しても必ず一定の成績を上げる人がいます。こうした人々は、コアを見抜く『嗅覚』や『眼力』を持っているのでしょう。・・・不幸にしてあなたがそうした名人芸を授かっていなかったとしても、こうした人たちを見習うことはできます。教えを乞い、アドバイスを求めればよいのです。・・・(教えてもらえない場合は)盗めばよいのです。・・・現代のエリート・ビジネスパーソンとは、エクセルでグラフを表示しまくるとともに、師匠のコア発見術を盗んで回る人々です」と、解説されています。

著者の『「超」整理法――情報検索と発想の新システム』と『「超」勉強法』のエッセンスも学べるお得な一冊です。