野生のムササビのことなら何でもお答えしますよ、という一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1581)】
クレオメ(セイヨウフウチョウソウ)が薄紫色の花を付けています。ヒマワリたちが揃って背伸びしています。ヨウシュヤマゴボウが花と実を付けています。因みに、本日の歩数は10,506でした。
閑話休題、『飛べ! ムササビ――観察のポイントからフィールドサインまで』(熊谷さとし著、文一総合出版)は、野生のムササビのことなら何でもお答えしますよ、という一冊です。
ムササビの1日は、このように説明されています。出巣について。「ムササビは、昼間は巣穴で眠り、夜間に活動する夜行性の動物だ。活動のピークは1日2回。1回目は巣穴から出るときで、ほぼ日没から30分以内に出巣する。時間にはとても正確で、夏と冬では2時間もの開きがある。出巣したムササビは、樹洞のある木や周辺にとどまり、フンをしたり、毛づくろいをしたりするが、やがてどこかのエサ場の森へ飛んでいってしまう。よほど子育て中でもない限り、朝まで戻ってくることはない」。
帰巣について。「2回目の活動のピークは、明け方の帰巣する時間帯だ。出巣とはちがい、真夜中に戻ってくるときもあれば、おそらく遠出をしていたのだろう、太陽がのぼるぎりぎりにあわてて戻ってくるなど、時間にはばらつきがある。巣材の運び込みが見られるのもこの朝方だ」。
ムササビ観察のベスト・シーズンは冬(12~2月)とのことです。「1年のなかでいちばん派手な繁殖シーズンが見られる時期であり、まだ明るい16時前から、メスの樹洞付近に近郷・近在のオスが何頭も集まってくる。まさに、森全体の『恋狂い』を楽しむことができる。観察するにはとても寒い時期ではあるけれど、蚊やブヨにかまれるよりはいいし、なにしろ木々の葉が落ちているから、ライトを当てなくてもシルエットでムササビの姿を見つけやすい」。
「世界にはどんなムササビがいるの?」という問いには、こう答えています。「現在、ムササビは世界に10種が知られている。この本の主役であるムササビは、ホオジロムササビのことで、日本固有種(日本にしかいない種)だ」。
また、野生のムササビを見に行きたくなってしまいました。