「気づく力」を鍛えよう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1889)】
タマネギがたくさん収穫できたようです。
閑話休題、『繁盛店店長の「気づく力」』(松下雅憲著、同文舘出版)は、さまざまな業界の店長たちの心強い味方であるだけでなく、私たち一般人にも大いに役立つ一冊です。
とりわけ、私にとって勉強になったのは、この3つです。
第1は、「『席』を譲る――繁盛キーワードを見つけるコツは『親切さ』と『やさしさ』」という指摘です。
「『どうぞ、こちらの席にお座りください』。あなたも満員電車の中で、お年寄りや妊婦さんに席を譲ることがあるでしょう。実は、これも『気づく力』を高めるトレーニングのひとつなのです。このような行動は、『親切さ』がベースになっています。重たい荷物を持てずに困っている人を助けたり、道でキョロキョロしている人に『どうしたのですか?』と話しかけたりするのも同じです。当たり前のこととは言え、この『親切さ』は『困っている人に気づくこと』ができないと実行することはできません。つまり、いくらあなたが『親切にしたい』と考えていても、あなたに『気づく力』がないと、『親切にするチャンス』に気づかないということです」。
第2は、「『疲れ』を取る――睡眠不足による『疲労』は、『気づく力』を著しく低下させる」という警告です。
「『気づく力』を高めていくためには、この『疲れ』が大いに邪魔をするのです。特に、『睡眠不足による疲れ』には要注意です。・・・『疲れ』全般が『気づく力』には大きな障害なので、基本的には『体調不良』は避けなければなりません。まずは、比較的セルフコントロールをしやすい『睡眠不足』は、できるだけ意識して避けるようにしましょう。それにより、『睡眠不足の疲れから来る気づく力のパワーダウン』を起こさずにすむことになります。いつも元気なあなたが、『気づく力』を有効に使うためにも『疲れ』、特に『睡眠不足による疲れ』は、しっかり取り除くように心がけましょう」。
第3は、「『予想する』――お客様やスタッフの次の行動を予想する」という勧めです。
「お客様の要望や行動に対する『予想』も(スタッフに対する場合と)同じです。気づく店長は、お客様を入口でお迎えした段階からその特徴を観察し、目的、状況、要望を予想し、お薦めや追加オーダーなどに活かします。カップル、家族、ビジネスマン、女性グループによって、お客様の要望も違ってきます。また、お食事の進み具合によっても『次の要望』が違います。『気づく店長』は観察によって、そこを踏まえて『予想』し、お客様の要望に先んじた行動を行ない、満足度を高めていくのです。気づく力を高めるためには、この『気づきをもとにした<予想力>』を鍛えていくことが大切なのです」。
本書は、「気づく力」の本質は、「相手軸思考」にあるという基本的な考えの上に構築されています。「いくら気づいても、『自分本位』でそれを活かそうとしても、うまくいきませんからね。気づいたことを活かすには、お客様やスタッフの立場で考えることが大切なのです」。