榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

死と隣り合わせにいるとき、誰もが哲学者になれる――西城秀樹・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1932)】

【amazon 『西城秀樹 一生青春 120の言葉』 カスタマーレビュー 2020年7月29日】 情熱的読書人間のないしょ話(1932)

ブラックベリー(写真1、2)、ブルーベリー(写真3)、ボケ(写真4)、リンゴ、トマト、ピーマン、ナスが実を付けています。ニンジンが収穫されています。

閑話休題、西城秀樹の言葉を集めた『西城秀樹 一生青春 120の言葉――「愛に生きる」』(西城秀樹著、青志社)を読んで、西城秀樹という人間を好きになってしまいました。人気歌手という殻を突き破って、彼の生き方、死に対する考え方が率直に語られているからです。

●朝日の中 そっとほほえむ そんなあなたが好きだ
●人間は男でも女でも、何かに一生懸命うちこんでいるときの顔がいちばん美しいといわれている。ぼくもそうだと思う。
●一生青春。ぼくは、この言葉を大切に、いまより次、きょうより明日へ、つきすすんでいきたいと思っています。
●自分でこれだって思ったときには突っ走っていかないとダメ。突っ走った結果、失敗しても、それは失敗じゃない。必ず次へのステップになる。
●あの頃は、(「新御三家」と呼ばれた西城秀樹、野口五郎。郷ひろみ)それぞれのファンの間で競争心があったかもしれませんが、ぼくら三人の間にライバル意識はまったくありませんでした。三人三様で歌の路線も違い、むしろ仲間意識のほうが強かったといえます。互いのよさを認め合っているクラスメイトのような感覚でしょうか。
●一生音楽、それができたら幸せな人生だと思ってます。
●人を好きになった。でも、相手の気持ちがわからない。思えば思うほど、その思いはつのる――そんなことがあるでしょう。もう会わなければいいんだと、こんどは逃げると、よけいに会いたくなってしまう。もう、それは完全な恋なんですね。
●実は二十代の半ば頃、ある女性と結婚直前までいったことがあるんです。
●男がね、三の能力しかなくても、女性によって、その三が十にも十五にもなるということがある。
●彼女と一緒にいると、リラックスできる風が吹いてくるみたいな気がした。
●ぼくにとって栄光の第二幕がこれから始まると思えたそのときに、これほどの大病が待っていた。
●病気をしたせいで、夫婦の関係が濃密になれた分、ぼくらは結婚年数の何倍も、お互いのことが分かり合えるようになった。
●ショックは何十倍でしたよ。死と隣り合わせにいるとき、誰もが哲学者になれる再発を予防しようと生活に気をつけていただけに、なぜ? という思いが強かったんです。
●夜の闇が、果てしない底なし沼へ、ぼくを引きずっていくようだった。
●価値観を変え、大切なものに気づかせてくれたという意味で、ぼくは病気に感謝してるんです。
●リハビリ中は根気しかない。こんだけ根気あって、こんだけ努力するんだったら、東大でもどこでも受かっちゃうよ(笑)。
●「生きることをあきらめないでよかった」
●「人は苦しんだ分だけ人にやさしくなれる」とは本当ですね。
●人前でそのときの姿をありのまま晒し、闘病生活を語ることでだれかのお役に立つなら、積極的にどこへでも出て行きたい。
●死と隣り合わせにいるとき、誰もが哲学者になれる。
●正直、いまも心のなかは右往左往している。しゃべりがうまくいかないとき、「どうしてなんだ、こんなにリハビリがんばっているのに」。ド~ンと落ち込んでしまう。
●ぼくがもし病気をしていなかったら・・・何十年も大事なことを見失ったまま、一生が終わってしまったかもしれない。
●人間だれしもゴール地点は「死」だが、そのゲートをくぐるとき、きちんと前を向いた「進行形」でいたい。
●最後は一人の人間として「ぼくの人生はいい人生だった」と言えるように生きたい。悔いは残したくないよね。マッカーサーが座右の銘としたというサミュエル・ウルマンという人の詩に「青春とは年齢ではなく、好奇心がある限りは青春だ」というのがあって、ぼくはこの詩が大好きで自分もそうありたいと思う。

西城秀樹というのは、本当に、いい奴だったんだなあ。