榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

あなたの仕事だけでなく、生き方も一変させる可能性を秘めた思考法50・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1997)】

【読書クラブ 本好きですか? 2020年10月2日号】 情熱的読書人間のないしょ話(1997)

アオモンイトトンボ(写真1~5)あきのハート型に連結した交尾を目撃することができました。アキアカネ(写真6~13)が交尾・産卵しています。ショウジョウトンボ(写真14)の雄、シオカラトンボ(写真15)の交尾をカメラに収めました。

閑話休題、『ニューコンセプト大全――仕事のアイデアが生まれる50の思考法』(電通Bチーム著、KADOKAWA)は、あなたの仕事だけでなく、生き方を一変させる可能性を秘めた必読の一冊です。

電通社員としての本業(=A面)以外に、私的活動、凄い趣味、前職、大学の専攻が特殊だったなど、個人的な側面(=B面)を持つ社員が属するチームの面々が、今までと違う方法(「PlanB」や「ApproachB」のような)、すなわちオルタナティブ・アプローチを自信満々で発表しているのだから、面白くないはずがありません。

掲載されている50のアイデアのいずれも興味深いが、私の心を鷲掴みにしたのは、「情報戦国時代をチャンスに変える 下克上タグ」、「自分のバイアスを他力本願で突破する 『マイ賢者』発想法」、「フィンランドに学ぶ最高の休み方 欲求反転法」の3つです。

下克上タグ――。
下克上タグとは。知っている言葉×知らない言葉を組み合わせて、自分が生み出した新たな分野を確立することです。その実例として、「鬼嫁コンサルタント」、「映画ソムリエ」、「ワークライフスタイリスト」、「#weddingtbt」などが挙げられています。「(これらの)事例に共通するのは、『知っている言葉×知らない言葉』として唯一の存在になることに成功している点です。・・・『既存の大きなタグにカテゴライズされて埋もれるより、新たなタグを創り出してそのタグの中で第一人者になるほうが早い!』と考えた人が今、実際に世界を面白くしています」。

「魅力的な『タグ』を創ることができれば、個人でも、大きな組織にも勝てる情報発信ができる」と、私たちを勇気づけています。

「マイ賢者」発想法――。
この発想法を一言で言えば、知っているより、知る人を持とうということです。「自分の興味関心トピックそれぞれに『マイ賢者』を自覚的に持っておくことで、効率や創造性が高まります。たとえば、マイ『コーヒーの賢者』は職場のAさん。マイ『地方移住の賢者』は大学時代の友人Bさん。マイ『写真の賢者』は隣に住むCさん・・・。自分の脳の中に頼れる知人が居並んでいるイメージを持つことで、問題解決のスピードは各段に上がります。直接聞いてしまうのもよし。『彼ならどう考えるだろうか』と自分の思い込みを外すための指標にしてもよし」。

私も、それぞれの分野の「マイ賢者」を持っています。野鳥に関してはAさん、Bさん、Cさん、猛禽類に関してはDさん、昆虫に関してはEさん、Fさん、植物に関してはGさん、パソコンに関してはHさん、Iさんといった陣容です。

欲求反転法――。
「マズローの(欲求段階説)理論では、人間の本質的欲求として下支えしているのが、低次の欲求として括られる生理的欲求、安全欲求、社会的欲求です。その上に高次の欲求である尊厳欲求と、自己実現欲求が存在します。私がこの夏、家族とフィンランドで過ごした時間の要素は低次の欲求がしっかりと満たされており、高次の欲求は完全にオフ状態でした(思い切ってノートPCを日本に置いてきたのが功を奏しました)」。

このコンセプトの応用例として、「絶景一服エリア」(ノイズをシャットダウンして絶景ビューを楽しめる休憩場)、「裸足の社内パーク」(靴を脱いでリラックスする、オフィス内の公園)、「何もしないツアーズ」(高次をオフにできる、極上の低次充実旅行の専門旅行パッケージサービス会社によるツアー)が挙げられています。

「高次欲求が優先される現代社会で、充実した休みをとるためには、低次欲求を取り戻すことが大事」というのです。かつての私は猛烈サラリーマンだったが、現在は365日休みなので、低次欲求は完全に満たされています(笑)。