榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

白化・白変した野鳥たちが勢揃い・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2000)】

【読書クラブ 本好きですか? 2020年10月5日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2000)

ホウキギ(ホウキグサ、コキア)の茎葉が赤く色づいています。ゴーヤーの実が黄色く熟れて、真っ赤な果肉が顔を覗かせています。この果肉の中に種が入っています。ウンシュウミカンの実が黄色く色づき始めました。20羽ほどのオナガの群れに出くわしました。ムクドリ、ダイサギ、ニホンカナヘビの幼体をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は11,932でした。

閑話休題、上野動物園で飼育されている全身真っ白なハシボソガラスを目の当たりにした時は、びっくりしました。2014年に死んでしまったが、眼が赤い白色個体(アルビノ)でした。

白い瑞鳥記』(大田眞也著、弦書房)には、著者自らが撮影した白化・白変した野鳥たちが登場します。ハシボソガラス、ハシブトガラス、カワウ、オオバン、スズメ、ツバメ、カワラヒワ、セグロセキレイ、マガモ、コガモ、カルガモ、オオヨシガモなどです。

「突然変異でそれら(関連遺伝子)が機能しなくなるとメラニンが生産されずに全身が真っ白い白子(アルビノ)になり、眼だけは毛細血管の血液が透けて赤く見えます。白化症(アルビニズム)は非常に稀な症状で、10万ないしは100万羽に1羽くらいの確率で発症するとみられています。・・・全身が殆んど真っ白に見えても眼の虹彩には色素があって赤くないものもいます。これは眼のメラニンは羽毛のメラニンと発生学的に異なるからで、これを白化症と区別して白変症(ホワイト・ヴァライアティス)と呼んでおり、全身の羽毛が真っ白になるもの(完全白変)から、体の一部が白くなるもの(部分白変)まで白変の程度はさまざまです。・・・このほかに色素の不足から羽毛の色が全体的に薄くなったり、色褪せたような状態になることがあります。完全白変の未完成型ともいえる症状で、淡化とかバフ変(レウシスティック)と呼んでいます。メラニン量の異常は、白化や白変、あるいは淡化にしろ遺伝的な原因によることが多いものの、部分白変などは栄養やホルモンのバランス失調、病気やショック、あるいは加齢などによっても生じるようです。メラニンは羽毛に色をつけるだけでなく、羽毛を丈夫にしたり、紫外線を防御する大切なはたらきをしているほかに、体温の制御や抗菌作用、毒性物質の吸収、蓄積などのはたらきもしています」。

私もバード・ウォッチャーの端くれだが、万一、野外で白化・白変した野鳥に遭遇したら、カメラを持つ手が震えてしまうことでしょう。