ほのぼの感が漂う昆虫読本・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2087)】
【読書クラブ 本好きですか? 2020年12月30日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2087)
『昆虫の森――身近な虫から憧れの虫まで』に登場するケラ(写真1)、ヤマトタマムシ(写真2)、オカダンゴムシ(写真3の左)、ワラジムシ(写真3の右)です。
『昆虫の森――身近な虫から憧れの虫まで』(丸山宗利監修、笠倉出版社)は、ほのぼの感が漂う昆虫読本です。
●オケラ――実力に反してイメージは悪い!?
「知名度の高さに反して、オケラの姿を実際に見たことがある人は少ないでしょう。その理由は、彼らがおもに地中のトンネルで生活しているからです。・・・翅をこすり合わせて鳴くこともでき、地中から『ジー』という鳴き声が聞こえてくることも。昔は、これがミミズの声だと信じられていました」。私は、幸運にも、2020年10月21日、ケラをじっくり観察することができました。
●タマムシ――玉虫色は永遠の輝き。
「体全体が金属光沢を持つ、とても美しい甲虫です。緑色に輝く翅は、死んでも色が変わらないため、装飾にも用いられてきました。・・・タマムシを見たいなら、夏の日の昼間にエノキやケヤキなどの落葉樹を見上げてみてください。成虫が飛びまわる姿が見られるかもしれません」。数十年ぶりにタマムシを見ることができ、大感激したのは、2020年7月19日のことでした。
●オカダンゴムシ――脱皮後に抜け殻を食べる理由とは?
「ダンゴムシは甲殻類に近い生き物で、虫と名づけられていますが昆虫ではありません。・・・指でつつくと体を丸めるのが特徴ですが、近い種であるワラジムシは丸まりません。・・・生まれた直後は脚が6対ありますが、成長すると7対になります」。我が家の庭には、数え切れないほど多数のオカダンゴムシとワラジムシが棲息しています。