榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

科学者として成功する鍵は、夢想、情熱、進取の精神だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2125)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年2月6日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2125)

満開のウメが芳香を放っています。貸し農園でブロッコリー、ダイコン、ハクサイの手入れ中の女性と、我が家の庭師(女房)との間で話が盛り上がっています。因みに、本日の歩数は14,933でした。

閑話休題、『若き科学者への手紙――情熱こそ成功の鍵』(エドワード・O・ウィルソン著、北川玲訳、創元社)は、生物多様性などで知られる生物学者が、科学者を目指す若き「きみ」に宛てた20通の手紙で構成されています。

「夢の羽を広げ、学問として練り上げたとき、夢想はありとあらゆる創造的思考の源となる。ニュートンは夢を見た。ダーウィンも夢を見た。そしてきみも夢を見る。イメージは湧き起こった当初は漠然としている。やがてそれは形になっていくか、または消えていく。ノートに形としてスケッチしてみると、少しはっきりしてくる。そしてその実例を発見したとき、イメージに命が吹きこまれる」。

「一生の職業として科学者を選び、特に独創的な研究の道に進もうとするのであれば、科学者である限り、そして生きている限り、自分のテーマに対する情熱を持ち続けることだ」。

「きみがその資質に恵まれているかどうかわからないが、たとえ恵まれていなくても、せめてそれを高める努力はすべきだ。その資質とは進取の精神、すなわち手ごわい作業だときみが思い、他の誰もやってみようとは思わなかった何かを進んで試してみることだ。たとえば、きみも同僚もまだ訪れたことのない世界のある地域でプロジェクトを始める。自分の分野ではまだ使われたことがない器具や技術を試してみる、もっと大胆に、自らの知識をまだ適用されていない別の分野に当てはめてみる、などだ」。

科学に止まらず、どの分野でも役に立つ具体的なアドヴァイスが満載です。