榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

修正力、チャンスをつかむ準備、そして、幸運を呼び込む努力・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2213)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年5月5日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2213)

オオヒエンソウ(オオバナヒエンソウ、デルフィニウム・グランディフロルム。写真1~3)の花弁のように見えるのは萼片です。オオアマナ(写真4)、ノイバラ(写真5)が咲いています。我が家の庭では、小さな桃色のバラが咲いています。サツキ(写真9)も咲き始めました。

閑話休題、『野村克也の人間通』(野村克也著、海竜社)に書かれている野村克也の言葉は、いずれも説得力があります。

「伸びる人間は、野球選手であれ、一般人であれ、共通している。感性が鋭く、問題意識や明確な目標を持ち、努力することをいとわない人間である。自分が何のために生きているのかに自覚的で、生かされていることに対する感謝の念を忘れない人間である。そんな人間は、失敗したり、つまずいたりしても、ちょっとしたことでヒントを得たり、自分なりに工夫して、そこから力強く立ち直っていく。人生は、ときとして過酷な試練を私たちに与える。そもそも人生において、自分の思い通りになることなど、そうそうあるものではない。理想が高ければ高いほど、そこには現実という壁が立ちはだかる。前に進もうと思えば、足を取られかねないぬかるみが横たわっている。しかし、その前で逡巡しているだけでは、問題は解決しないし、人は成長することができない。勇気を持って進んだものだけが、その人間にとってのかけがえのない宝を手に入れることができるのだ」。

「一流といわれる選手や、チームの中心となるような選手は、大体において、感じる力を持っている。それが如実に現れるのが、修正能力である。一流選手であればあるほど、同じような失敗は繰り返さない。三度も、四度も同じ過ちや失敗を繰り返すのは、失敗を失敗として感じる感性がなかったり、その失敗の原因を究明するための考える力がないからである」。自らの過ちに気づいたら、直ちに修正する、そして、同じ過ちを繰り返さないことを実行できるようになってから、何事も成功率が各段に上がったと実感しています。

「チャンスは、それをつかむ準備が整っている者だけが手にできる」。チャンスに備えて常日頃から実力を養っておくこと、これは、またとないチャンスだと気づくこと、そのチャンスに持てる全ての力を投入すること――この3点セットが、私たちを成功に導いてくれるのです。

「幸運を呼び込めるかどうかは本人次第である。・・・仔細に眺めれば、運、不運には、必ずといっていいほど、それなりの理由や過程があるものである。その意味で、運も実力のうちだし、自ら努力してつかまえるものだともいえる。自分は運が悪いと嘆いたり、今回は運がなかったと済ませてしまう人が多いが、それでは幸運をつかむことができない」。何事も成功するか否かは、運が9割、ここまで何とかやってこられたのは、運に恵まれたからだと、私は考えています。