36種の野鳥・植物が、文章・絵・写真で紹介されているユニークな一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2218)】
キビタキが囀る20mほどの高木(写真1)の下で2時間粘ったが、緑が濃く、撮影に至らず。何日も通った今季のキビタキの雄の撮影チャレンジは、残念ながら本日で終了。オナガ(写真2)、アカモズ(写真3)、エナガ(写真4)、ツバメ(写真5~8)、コミスジ(写真9、10)、サトキマダラヒカゲ(写真11)、ヒメウラナミジャノメ(写真12)、シオカラトンボの雄(写真13)をカメラに収めました。ノアザミ(写真14、15)が咲いています。因みに、本日の歩数は20,104でした。
閑話休題、『草木鳥鳥文様(くさきとりどりもんよう)』(梨木香歩文、ユカワアツコ絵、長島有里枝写真、福音館書店)では、36種の野鳥・植物が、文章・絵・写真で紹介されています。
例えば、ツグミはこのように評されています。「翅に青や緑や赤など華やかな差し色があると、ヒトからの認知度は高くなり、好感度も上がるのだが、ツグミはその辺りの線引きを心得ていて、ギリギリのところでヒトの注意を必要以上に惹かない色彩をまとっている。正統派のおしゃれであり、品がある。・・・冬の林の中で、そこだけぽっかりと空いたように、枯れた芝生が陽に当たっている――そういう陽だまりのなかを、あちこちつついて歩くようすは、よく耕された畝の続く畑のなかを、満足げに行く農夫のようだ」。
カケスはこのように説明されています。「きっと私はカケスを怖れているのだろう。可愛らしく媚びようともせず、うつくしさで誘惑しようともせず(禿げたような頭のごま塩が完璧な美に達するのをセーブしている)、こちらの好意や愛情などまるで必要としてないとばかり、射るような鋭い視線で本心を見抜こうとする。あの視線に対峙できる自分でありたい」。
ツミの紹介は、こんなふうです。「ツミは猛禽類だけれど、ハトほどの大きさしかないので、どこかに止まっていても、どうせハトだろう、と見過ごしがちになる。そのたび、あれ? と引っかかり、通り過ぎた視線をもう一度戻す。ハトにしては眼光鋭く、どこか思いつめた緊張感のある気配はやはりハトのものではない。改めて見、『ツミだ!』。そしてしみじみと見とれる。ハトが枝に止まってのんびり休んでいると思ったら大間違い、ワシ・タカ類が辺りを睥睨して獲物を物色している最中なのである」。