榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

新型コロナウイルス禍のため縮小してしまった「7割経済」で勝ち抜く方法・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2269)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年6月29日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2269)

撮影助手(女房)が、イソヒヨドリの雄(写真1~6)よ、と小さな叫びを上げたので、慌ててカメラを構えました。銜えた獲物を雌(写真6~9)に空中で口移しする求愛給餌の瞬間を目撃したが、残念ながら、その撮影には失敗しました(涙)。我が家の玄関のコンクリートの隙間とも言えないほど僅かな隙間から生えたキンギョソウ(写真10、11)が花を咲かせています。我が家の庭師(女房)は「ど根性キンギョソウ」と呼んでいます。

閑話休題、『大前研一 「7割経済」で勝つ新デジタルシフト』(大前研一編著、プレジデント社)では、新型コロナウイルス禍のため縮小してしまった「7割経済」で勝ち抜くための最適な手段が提示されています。

その1は、アイドルエコノミーです。「誰かが所有していて、使用されていない(=アイドル状態にある)リソースを、ユーザーとマッチングさせて利益を創出するサービス形態を『アイドルエコノミー』という」。

シェアリングエコノミーとアイドルエコノミーの発想の違いが強調されています。「『所有から利用』『所有コストの低減』というのが、シェアリングエコノミーの発想の起点である。これに対し、『アイドル状態にあるもの』『固定費に対する限界利益の最大化』から考えるのがアイドルエコノミーだ。前者は『コスト削減』、後者は『利益の最大化』と、一見似たようなビジネスモデルでも、着想点が大きく異なることを理解してほしい」。

実際にアイドルエコノミーでビジネスを展開している企業の事例が多数掲載されています。

一つだけ、大前研一の見解に賛成できない事例があります。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、「空いている公共図書館」に新たな図書館のコンセプトや提携企業といった付加価値を加えることによって利用者を増やすことに成功したと、大前は高く評価しているが、この点に関してだけは、どうしても納得できません。図書館大好き人間の私は、CCCは図書館の本質を理解できていないと考えているからです。

その2は、中国ニューエコノミーです。「政府主導でオールドエコノミーから、ハイテク技術や新しいサービスを生み出すニューエコノミーへ、経済モデルの大転換を図っているのが今の中国なのである。・・・中国ニューエコノミーは日本にとって脅威かもしれない。だが、それはビジネスチャンスにもなり得る」。

中国ニューエコノミーの企業も数多く登場しています。