榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

60歳を迎えるあなたへのアドヴァイス――人生は掛け算、情報編集力、死への向き合い方・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2450)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年1月1日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2450)

シジュウカラ(写真1)、ヒヨドリ(写真2)をカメラに収めました。穏やかな正月を迎えています。

閑話休題、『60歳からの教科書――お金・家族・死のルール』(藤原和博著、朝日新書)で、とりわけ私の心に響いたのは、人生は掛け算、情報編集力、死への向き合い方――の3つです。

●人生は掛け算――
「人生とは、足し算でも引き算でもなく、意外なもの同士を掛け合わせる『掛け算』だ」。

●情報編集力――
「『情報処理力』は、すなわち『頭の回転の速さ』。一方、『情報編集力』は、『頭の柔らかさ』です。・・・『情報編集力』は、歳を重ねれば重ねるほど『伸びしろ』が出てきます。『情報編集力』を磨き続けることができるのは、それが処理ではなく、編集だから。・・・『情報編集力』は、自分一人で考えるのではなく、『他者と脳をつなげる力』であるとも言えます。『頭が柔らかい』とは、さまざまなものをつなげられる能力で、他の人の脳の回路をも使える力なのです。さらに言えば、『他者の脳と連結して、自分の脳を拡張する』ことでもあります。仕事だけでなく、家庭について考えたり、子育てをしたり、人生について考えるときにもこの拡張された『連結脳』は威力を発揮してくれます。人生には、仕事以上に『正解』がないからです」。

●死への向き合い方――
「この世に生きる人は一人の例外もなく『死』を迎えますが、すでに死んだ人に『死』という現象がどういうものであったかを訊くことは決してできない。・・・『死』という『わけの分からないもの』を前にしたとき、人は自分自身の『納得解』をつくっていくしかないのです。『正解』は得られなくとも、一人ひとりが個別の『納得解』を持つことはできる。それが、死への向き合い方として、最善の方法ではないかと私は考えています」。

「『人生は有限』であることをハッキリ自覚することで、かえって強まる意識がある。それが、『今、ここ』を大事にする気持ちです。・・・人生の終わりに必ず訪れる『死』を意識することが、『生』を色鮮やかにデザインすることにつながるわけです」。

60歳を迎えるあなたへの著者のアドヴァイスは具体的です。「同じ趣味・関心の領域で自分を受け入れてくれるコミュニティに属することが、60歳からの人生には必須になるわけです」。