榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

読み終わるまでに、何度も目から鱗が落ちました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2688)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年8月26日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2688)

昨晩、女房が、ヤモちゃん(我が家のキッチンの曇りガラスに毎晩やって来るニホンヤモリ)がガを追いかけているわよ、と声を上げました。ニホンヤモリ(写真1)が獲物を銜えた瞬間をカメラに収めることができました。早朝、涼しいうちにと、庭師(女房)の草取りを1時間ほど手伝った時、素早く走り去るヒガシニホントカゲの幼体(写真2)を見かけたが、尾部分しか撮れませんでした。毎日、花壇をヤマトシジミ(写真3)たちが飛び回っているが、これは雌です。6月にヤマトシジミの交尾(写真4)を撮影したが、左が雄、右が雌です。散策中、ムモンホソアシナガバチ(写真5、6)、モンクモバチの雌(写真7、8)、イチモンジチョウ(写真9、10)、アサマイチモンジ(写真11)、ウチワヤンマ(写真12)、ハグロトンボの雄(写真13)、雌(写真14)に出会いました。

閑話休題、生物の種の識別、雌雄の識別に迷ったとき、大変頼りになる生物観察仲間から薦められた『虫のオスとメス、見分けられますか?』(森上信夫著、ベレ出版)を手にしました。

読み終わるまでに、何度も目から鱗が落ちました。昆虫老年を自称する私だが、いかに知らないことばかりかを思い知らされました。

例えば、
●カナブンのメスとオスは、前脚途中の突起の有無で見分けることができる。
●ベニシジミのオスとメスは、前脚の跗節が真っ直ぐ伸びているか、関節のように折れ曲がっているかで見分けることができる(ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ムラサキシジミ、ミドリシジミ、ミズイロオナガシジミなど、ほとんどのシジミチョウ科は、同じ見分け方が適用できる)。
●キリギリスやコオロギの仲間は産卵管の有無で見分けられるが、クビキリギスのメスの産卵管は翅で隠れている。
●アカスジキンカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、キマダラカメムシのオスとメスは、尾端(産卵管以外)で見分けることができる。
●オオカマキリのオスとメスは、尾端の突起が4本か2本かで見分けることができる。
●トノサマバッタのオスとメスは、尾端の先端が上を向いているか、上と下を向いているかで見分けることができる。
●トンボの仲間は、オスのような体色のメスがいたり、メスのような体色のオスがいたり、また成熟の度合いによっても一生の間に体色を変化させるので、オスかメスかは副性器の有無が最も確実な識別ポイントとなる。
●セミの仲間の抜け殻のメスとオスは、尾端腹面に1本の溝の有無で見分けることができる。
――といった具合です。

125種が掲載されています。

私のパソコン机の脇にずらりと並ぶ辞書・図鑑の列に、早速、本書が加わりました。