尾崎放哉の自由律俳句から発想を得たエッセイ集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2751)】
幸運にも、行き合ったプロの野鳥写真家N.K.氏が、カルガモ、マガモ、ヒドリガモの群れの中に、オシドリ(雄)のエクリプスと思われる個体(写真1)が混じっていると教えてくれました。ヒドリガモ(写真2。左が雄、右が雌)、マガモ(写真3。頭部が緑色なのが雄。奥の左は雌。手前の右は雄のエクリプスかも)、モズ(写真4)、シジュウカラ(写真5)、ハクセキレイ(写真6)、ニホンアカガエル(写真7、8。写真7は腹部が少し膨らんでいる様子)をカメラに収めました。カケスを撮影しようと、鳴き声を追って針葉樹林の奥に分け入ったところ、そこにはマムシグサ(写真9、10)が群生しているではありませんか。ウラシマソウ(写真11、12)とマムシグサはよく似ているが、茎にマムシ様の模様があるのがマムシグサ。因みに、本日の歩数は11,098でした。
閑話休題、『放哉の本を読まずに孤独』(せきしろ著、春陽堂書店)は、尾崎放哉の自由律俳句から発想を得たエッセイ集です。
取り上げられている放哉の俳句で、とりわけ印象に残るのは、このような句です。
●咳をしても一人
●寒さころがる落葉が水ぎわでとまった
●心をまとめる鉛筆とがらす
●なんにもない机の引き出しをあけて見る
●考へ事をしてゐる田にしが歩いて居る
●淋しい寝る本がない
●人をそしる心をすて豆の皮むく
「ふといやなことを思い出すということはよくある。道を歩いていたり、お風呂に入っていたり、あるいは寝る前になど、それは突然やってくる。なぜあの時あの人にあんなことを言われたのか、あんなことを言わなくても良かったのではないかなどと考え、苛立ちは急速に増大していきあっという間にマックスとなり、時には知らない動物のような声を出してしまうことになる。・・・この状況を脱するきっかけのひとつとして『新しい仕事の依頼が来る』というのがある。仕事が来るということは自分が誰かに必要とされているわけで、そう考えると気持ちに余裕ができる。また仕事が来ると生活費の余裕もできる。これらの余裕によって苛立ちはどこかへ消える。・・・しかし、仕事の依頼のメールが以前誰かに送ったものをテンプレとして使っていて、それ自体は構わないのだが、その時の名前を直し忘れていて、別の人の名前のまま私に依頼しているのを見ただけで、余裕はあっという間に消えてしまうのである」。