榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

中国経済の中長期成長に関する3つのシナリオとは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2770)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年11月16日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2770)

朝霧(写真1~10)、コケ(写真11)、ラクウショウの落葉(写真12)、イチョウの落葉(写真13)、夕焼け(写真14)をカメラに収めました。

閑話休題、『中国減速の深層――「共同富裕」時代のリスクとチャンス』(福本智之著、日経BP・日本経済新聞出版)では、中国経済の中長期成長に関する3つのシナリオ――良好シナリオ、リスクシナリオ、基本シナリオ――が示されています。

●良好シナリオ
「このシナリオの肝は、市場メカニズムをベースとした経済改革が加速し、対外開放も推進されるというものだ。中国政府・共産党の想定に沿って、中国経済が成長していくシナリオと言ってよいだろう」。
●リスクシナリオ
「リスクシナリオでは、改革開放の停滞と国進民退、米中対立の激化によるハイテク製品の広範なデカップリング、不動産市場の縮小と金融システムの脆弱性の継続という3つを中心の想定とする」。
●基本シナリオ
「基本シナリオは、良好シナリオとリスクシナリオの中間を想定する。良好シナリオが想定するシナリオのうち、改革開放、人口動態、米中対立の3つの点で、良好シナリオほど順調にいかないと見る」。

「あくまで筆者の主観によるものとして、基本シナリオの確率を6割程度、良好シナリオ、リスクシナリオの確率を2割程度とイメージしてシナリオを描いてみた。・・・(各シナリオを分けるポイントとして)特に重要なのは、①共同富裕政策とともに改革開放やイノベーションは前進するのか、②米中対立はどこまでデカップリングにつながるのか、③金融システムの安定を維持できるかだ」。

日本企業の取るべき戦略、スタンスが3つ挙げられています。
●中国ビジネスのチャンスをものにする
●中国ビジネスのリスクをコントロールする
●ゼロコロナ政策の継続がもたらすリスクに注意する