榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

発達障害と診断されている大学教員のエッセイ集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2783)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年11月29日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2783)

スズメ(写真1、2)の群れをカメラに収めました。キク(写真3)、キダチチョウセンアサガオ(エンジェルズトランペット。写真4、5)が咲いています。ユズ(写真6)、ウンシュウミカン(写真7)が実を付けています。ザクロ(写真8、9)の実から種が溢れそうになっています。因みに、本日の歩数は13,593でした。

閑話休題、『ある大学教員の日常と非日常――障害者モード、コロナ禍、ウクライナ侵攻』(横道誠著、晶文社)は、発達障害と診断されている大学教員のエッセイ集です。

「僕は自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如・多動症(ADHD)を診断されている。このふたつの障害は一般に発達障害と呼ばれるが、精神医学での発達障害の正式な名称は神経発達症だ。最近では、発達障害を『脳の多様性』と見なす考え方が支持を広げているが、社会の改善を伴って『脳の多様性』が広く尊重されるには至っておらず、医学では発達障害は『精神障害』と見なされる。この精神障害(mental disorders)という語を日本精神医学会は『精神疾患』と訳す。障害なのか疾患なのか、ややこしい」。

「障害があるということは、ふだんから被災しながら生きているようなものだ。著名人の誰かがそのような発言をしたと思うのだが、いま調べてみても誰かわからない。いずれにせよ、僕はこの言葉に大いに首肯できる。僕たちの日常は、災難だらけなのだから、障害者とは日常的な被災者なのだ」。

「精神疾患の当事者がコロナ禍を生き、戦争を身近で感じた日々のちょっとだけ稀有な記録。それが本書の内容だ」。

著者は、障害者はふだんから迷宮のなかをさまよっているようなもの、と表現しているが、程度の差こそあれ、健常者も迷宮のなかをさまよっているようなものだというのが、私の率直な読後感です。