榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

CSO事業は銀座裏通りの沖縄料理店から始まった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(番外篇)】

【2022年11月9日発行 EPS創業30周年記念誌――日々新たに、また日に新たなり 】 情熱的読書人間のないしょ話(番外篇)

イーピーエスの厳浩社長(当時)から、突然、「CSO事業を新規に立ち上げてほしい」と依頼されたのは、銀座裏通りの沖縄料理店でのことでした。私の胸の中に、三共(現・第一三共)での20年に亘るMR経験、その後の17年間のMR育成・支援・指導を通じて学んだことをMRに伝えたい、MRはやり甲斐のある仕事だと伝えたい、という思いがメラメラと燃え上がり、3日後には、厳社長にOKと回答していました。

サイバーメディカルネット(3カ月後にイーピーメディカルに社名変更)の社長に就任したものの、CSOを立ち上げるのに必要な業界手続きが分かりません。そこで、こういうことに詳しい吉井利臣さんに入社してくれるよう頼み込みました。また、CSOにはMRの長期間の教育・研修が必須ですから、鈴木康弘さんを強引に引き抜いてきました。現場で頑張るMRたちの世話を担当する社内スタッフも重要なので、頑張り屋の佐藤恵さんを採用し、女性も存分に活躍できる体制を構築しました。

人材派遣業は人が最重要な財産ですから、採用面接には必ず出席し、過去の実績に囚われることなく、向上心のある人材を選びました。事ある毎に、「患者が一番上で、医療機関、MR、スタッフと来て、一番下が社長」という逆三角形を徹底しました。当時のCSO各社ではMRの離職率の高さに苦労していましたが、当社の離職率は2年間ゼロでした。「段取り・スピード・連携」は、私の長い経験から辿り着いた、当社のスローガンです。

3年で黒字にするという厳社長との約束は、半年後ろにずれ込みましたが、全員の頑張りで達成することができました。いろいろな苦労があったものの、当社が急成長できたのは、親会社の財政的支援があったため、人材育成、事業拡大に邁進できたからだと、厳社長と神宮孝一常務(当時)に感謝しています。