クモ膜下出血や泌尿器のがんを経験した81歳の窪島誠一郎の詩集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2827)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年1月12日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2827)
ムクドリ(写真1)、セグロセキレイ(写真2、3)、ハクセキレイ(写真4、5)、アシダカグモ(写真6)をカメラに収めました。我が家から歩いて30分ほどの東京大学柏キャンパスの食堂で昼食を摂り、一時、大学院生気分を味わいました(笑。写真9)。
閑話休題、『のこしてゆくもの――窪島誠一郎詩集』(窪島誠一郎著、アーツアンドクラフツ)は、クモ膜下出血や泌尿器のがんを経験した81歳の窪島誠一郎の詩集です。
とりわけ印象に残ったのは、「のこしてゆくもの」、「生きていて」、「生きゝる」の3篇です。それぞれの一節は、このように刻まれています。
●のこしてゆくもの
「のこしてゆくもの 死んでしまったわたしの とっても親切な『病理診断報告書』」。
●生きていて
「生きていて いちばん かなしいのは あなたをちっとも幸せにできないこと」。
●生きゝる
「いつか消える命を 生きゝる 一滴の命の名残りものこさず 生きゝる それだけでいい それだけでじゅうぶん」。