豪華絢爛な大奥の世界が詳細に再現されている図説・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2832)】
婚姻色のカワウ(写真1、2)とカルガモ(写真2)、アオサギ(写真3)、カワラヒワ(写真4、5)をカメラに収めました。カケス(写真6)を撮影しようと45分も粘ったのに、こんなぼやけた写真しか撮れませんでした(涙)。女房気に入りの店で昼食を摂りました。因みに、本日の歩数は11,351でした。
閑話休題、『図説 大奥の世界』(山本博文編著、河出書房新社・ふくろうの本)では、絵師・揚州周延らが描いた絵によって、豪華絢爛な大奥の世界が再現されています。
第1章では、江戸城の構造、大奥の職制、大奥女中の勤務と給料、御台所の輿入れなどが、第2章では、大奥での生活や衣装、行事、将軍の奥泊りと女中の出産などが、第3章では、大奥の人物と事件が解説されています。
「江戸城の大奥では、多くの女性がさまざまな役割を担って働いており、衣食住一体型の職場ともいえる。そこには四季折々の行事も華やかに行なわれていた」。
「大奥は、原則として将軍以外の男子禁制の社会である。しかし、将軍のハーレム(後宮)という見方は、あまり正しくない。大奥は、将軍とその正室である御台所の生活を支える役所だった。この役所の最大の任務は、将軍の跡継ぎをもうけることだったから、将軍の性的生活が重要だったことは言うまでもなく、本書でも将軍の床入りをめぐる特殊な慣行を紹介しているが、それだけではない。将軍の子を産む女性たちのほか、大奥を支える多くの女性たちが役人として働いていたのである」。
「大奥の主人は御台所である。・・・大奥を管轄したのは男子役人である留守居だが、実際はほとんど御年寄(老女)によって運営された。女性のみによってこうした役所が運営されたことは、世界でも稀なことであり、日本の女性の高い能力をよく示している。・・・大奥女中は、御目見得以上の女中は旗本の娘から選ばれた。彼女たちにとって大奥は、自立して生活するための職場であり、当然、出世競争もあった。・・・御目見得以下の下働きの女中には、御家人や江戸の商家や江戸周辺の裕福な農家の娘が選ばれた。彼女たちにとっては、上流階級の生活にふれる機会であり、良縁を得て大奥を退くことが一つの目標だった」。