ズバズバと言いたい放題のレビュー集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3003)】
サルスベリ(写真1、2)が咲いています。夕刻になると、オシロイバナ(写真3~5)が芳香を漂わせます。
閑話休題、『レビュー大全2012~2022――作家・比較文学者Kが四〇〇〇日にわたって記した壮大な記録』(小谷野敦著、読書人)には、小谷野敦が4000日に亘りamazonに投稿し続けた書籍、映画のレビューの全てが収載されています。
★――
●出家とその弟子(倉田百三著)「まことにつまらんものである」
●吉備大臣入唐絵巻の謎(黒田日出男著)「学問とは違うものではないか」
●中上健次(池澤夏樹個人編集)「『鳳仙花』は通俗小説だろう」
●ファウスト(ゲーテ著、池内紀訳)「わけが分からない」
●たった一人の反乱(丸谷才一著)「退屈で意図不明な小説」
●東京セブンローズ(井上ひさし著)「ん?」
これらの書については、小谷野と私とでは、評価が大きく異なっています。
★★――
●フィッツジェラルド短編集(フィッツジェラルド著、野崎孝訳)「救いがたい俗物フィッツジェラルド」
●羊をめぐる冒険(村上春樹著)「面白いか?」
●謎とき『風と共に去りぬ』(鴻巣友季子著)「一応言っておきますが」
『謎とき<風と共に去りぬ>』について、「『風と共に去りぬ』は、本国アメリカでは、黒人奴隷制について正確な描写をしていない作品として名声は地に落ち、日本でもアメリカ文学者でまじめにとりあげる人はいないのが実情である」とあるのには、びっくりしました。
★★★★★――
●肉蒲団(李笠翁著、足利光彦訳)「シナエロティック小説の最高峰」
●夢を売る男(百田尚樹著)「文壇の話ではあまりないのだが」
●鍵のない夢を見る(辻村深月著)「直木賞受賞作とは思えない(くらいいい)」
●ジョルジュ・サンド評伝(長塚隆二著)「サンド伝の決定版」
●校閲ガール(宮木あや子著)「すばらしい!」
●毛沢東――日本軍と共謀した男(遠藤誉著)「日本軍と共謀した毛沢東」
●石の蝶(津村節子著)「隠れた名作」
●ダンテ論――『神曲』と「個人」の出現(原基晶著)「ダンテはなぜつまらないか」
既読の『校閲ガール』、『石の蝶』以外の6冊を、私の「読みたい本」リストに加えました。