野鳥専門誌が本気で作った最新版カラス入門書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3171)】
アトリの雄(写真1、2)、雌(写真3、4)、カワラヒワ(写真5)、ヒヨドリ(写真6)、ジョウビタキの雌(写真7、8)をカメラに収めました。ロウバイ(写真9、10)、ソシンロウバイ(写真11、12)が咲いています。冬至の湯舟に大きなユズ(写真17)がぷかぷかと浮かび、芳香を放っています。
閑話休題、『とことんカラス』(BIRDER編集部編、文一総合出版)は、編集者が「日本で唯一のバードウォッチングマガジン『BIRDER』編集部が総力を挙げて編集」したと胸を張る一冊です。自慢するだけあって、まるっと、しっかり、カラスのことが分かる工夫が凝らされています。
「強くて怖そうだけど、じつはすごいビビり。かしこくて思わず感心してしまうけど、時にはドジってしまうお茶目さん。色あざやかではないけれど、妖しい濡羽色が魅力。ごついイメージがあるけど、よく見るととてもかわいい」。
国内で見られるカラスは、お馴染みのハシブトガラスとハシボソガラス、冬鳥のミヤマガラスとコクマルガラス、北海道に渡来する冬鳥のワタリガラス、たまたま迷い込んだと思われるニシコクマルガラスの6種です。
「巣立ちびなの兄弟間で給餌の真似事をしている。口の中が赤いのに注目。成長は黒い」。この写真説明文を読んで、スズメの巣立ちびな同士が給餌の真似事をしているのを目撃したことを思い出しました。
カラスは賢いと思われているが、「鏡に映った自分を認識できず、蹴りを入れる」。同じカラスの仲間であるカササギは鏡像認知(鏡に映った姿を自分だと分かること)ができるのに、ハシブトガラスやハシボソガラスはできないと記されています。
カラスが車の窓ガラス滑りをして遊んでいるように見えるケース。実は、鏡像認知できないカラスはカンカンになって怒っているのだそうです。
ハシボソガラスがボール遊びをしているように見えるケース。無我夢中で遊んでいるわけではなく、実は餌と思い込み、ムキになっているとのことです。
カラスは学んだことを少なくとも1年間は覚えていることが、筆者らの実験で確認されています。
「レンズを向けるとカラスに逃げられるのですが、対策はありますか?」という質問には、こう答えています。「カラスは元来、ビビリな性格のため『あなたのことを撮るんじゃないからね』と、ほかの被写体にレンズを向けるワンクッションを置いてから、ゆっくりとフレームインさせましょう」。早速、試してみます。