障害者は、物理的には一つの体なのに、二つの体を使いこなしているように見える・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3231)】
ダイサギ(写真1、2)、マガモの雄と雌(写真3、右が雄)、ヒドリガモの雄と雌(写真4、左が雄)、ツグミ(写真5)、ハクセキレイ(写真6)、シジュウカラ(写真7)をカメラに収めました。天敵でも現れたのか、多数のハシブトガラス(写真8、9)が大声を上げて騒いでいます。カワヅザクラ(写真10、11)、ジンチョウゲ(写真12、13)が咲いています。夜、東京・中央の水天宮前駅に直結したホテル(写真14、15)でイーピーエス時代の仲間たちと会食し、話に花が咲きました。
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閑話休題、『記憶する体』(伊藤亜紗著、春秋社)には、視覚障害、四肢切断、麻痺、吃音、難病、二分脊椎症などの障害を持っている12人が、それぞれの障害にどう向き合っているかが綴られています。
「障害を持っている方と関わっていると、『この人の体は本当に一つなんだろうか?』と思うことがあります。物理的には一つの体なのに、実際には二つの体を使いこなしているように見えるのです。・・・健常者としての記憶が刻まれた体で、障害のある体を生きる。これが、彼らの体が二つあるように見える原因です。『多重人格』ならぬ『多重身体』。一つの物理的な体の上で、健常者の体と障害者の体が重なり、固有のパターンを作り出します。まさに記憶が生み出すハイブリッドな体です。・・・そこからどのような固有のパターンが作り出されるか、それは障害を得た年齢やタイミング、それまでにしていた職業、趣味などによって異なります。本書では、そのいくつかの例をご紹介します」。
「障害を抱えた体とともに生き、無数の工夫をつみかさね、その体を少しでも自分にとって居心地のいいものにしようと格闘してきた、その長い時間の蓄積こそ、その人の体を、唯一無二の代えのきかない体にしているのではないか。つまり、○○であるという『属性』ではなく、その体とともに過ごした『時間』こそが、その人の身体的アイデンティティを作るのではないか。そう思うのです。・・・本書は、このような時間的な蓄積として身体のアイデンティティが形成されていくさまを、11のケース(の12人)を通して描き出そうとしたものです」。
これからは、障害者に対する見方が大きく変わりそうです。