有名作家たちの、とんでもない発言がてんこ盛りの一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3270)】
【僕らは本好き読書隊 2024年3月29日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3270)
シクラメン(写真1)が今頃、咲き始めたわよ、と我が家の庭師(女房)の弾んだ声。シバザクラ(写真2)、オウバイモドキ(ウンナンオウバイ。写真3)、ユキヤナギ(写真4~6)、ハナモモ(写真7~12)が咲いています。
閑話休題、『大作家でも口はすべる――文豪の本音・失言・暴言集』(彩図社文芸部編、彩図社)は、有名作家たちの人間味溢れるというか、とんでもない発言がてんこ盛りです。
例えば、こんな風です。
●夏目漱石が小宮豊隆への手紙の中で
<世の中の奴は常識のない奴ばかり揃っている。そうして人をつらまえて奇人だの変人だの常識がないのと申す。御難の至である。ちと手前どもの事を考えたらよかろうと思うがね。あんなおめでたいやつは夏の蛍同様、尻が光ってすぐ死ぬばかりだ。そうして分りもしないのに虞美人草の批評なんかしやがる。虞美人草はそんな凡人のために書いてるんじゃない。博士以上の人物即ち吾党の士のために書いているんだ。なあ君。そうじゃないか>。
●谷崎潤一郎が同時代の作家たちを評して
<島崎藤村の文章は我慢ならぬものだし、室生犀星のは悪文であり正宗白鳥のは拙文>。
●萩原朔太郎が芥川龍之介を評して
<詩が、芥川君の芸術にあるとは思われない。それは時に、最も気の利いた詩的の表現、詩的の構想をもっている。だが無機物である。生命としての霊魂がない>。
口は禍のもとと自戒する私。