日本の哲学者たちは「死」をどう考えたのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3289)】
【読書の森 2024年4月13日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3289)
生物観察会に参加しました。ヤマザクラ(写真1)、イロハモミジ(写真2)、イロハモミジの両性花(写真3)、オニグルミの雄花(写真4)、ハンノキの果穂(写真5)、コムギ(写真6)、オオムギ(写真7)、ライムギ(写真8)、メダカ(写真10)、カヤダシ(写真11)、ヒガシニホントカゲ(写真12、13)、尾が切れたニホンカナヘビ(写真14)をカメラに収めることができました。
閑話休題、『日本哲学入門』(藤田正勝著、講談社現代新書)では、日本の哲学者たちが、どのような思索を重ねてきたのかが、「経験」、「言葉」、「自己と他者」、「身体」、「社会・国家・歴史」、「自然」、「美」、「生と死」といったテーマごとに考察されています。
国内外を問わず、哲学で一番重要な課題は「死」だと考えている私が注目したのは、「生と死」の章です。
●死や有限性を免れないという人間が置かれている根本的な状況を、「虚無」という言葉を使って言い表した三木清、●死せる汝と生ける私との関わりの問題として死の問題を問うた田辺元、●闇あるいは死にすっぽりと包まれた自分をどう考えるのかという問いを自分に突きつけた、田辺の弟子・武内義範――の考え方が紹介されています。
これらをエピクロスやマルティン・ハイデガーなどの死の考察と比較検討してみることも意味があると考えます。