榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

その哲学は難しいとされるヘーゲルと私の恋愛観が一致するとは!・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3302)】

【読書の森 2024年4月26日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3302)

コチドリ(写真1~3)、営巣中のツバメ(写真4~8)、ハクセキレイ(写真9)をカメラに収めました。オオデマリ(写真10~12)、コデマリ(写真13、14)が咲いています。我が家の庭師兼撮影助手(女房)から、ガザニアにクサギカメムシ(写真15)がいるわよ、との報告あり。

閑話休題、『恋愛の哲学』(戸谷洋志著、晶文社)では、7人の哲学者の恋愛論が取り上げられています。私は哲学の最重要テーマは「死」と考えているので、そういう意味では新鮮みがあります。

例えば、ルネ・デカルトの哲学を通じて、「なぜ恋愛に執着するのか?」が、G・W・F・ヘーゲルとともに、「なぜ恋人に愛されたいのか?」が、シモーヌ・ド・ボーヴォワールを通じて、「女性にとって恋愛とは何か?」が考察されています。

●デカルト

デカルトは、恋愛は「私」に欠如した半分を満たしてくれるものへの愛である、「私」が自分の欠如を満たしてくれる存在と出会えたとき、「私」は。この世界の全てを、その愛している人の存在とともに感じ取るようになると考えたのです。

●ヘーゲル

ヘーゲルは、愛することは、相手に奉仕することではないし、相手の人生のために犠牲になることでもない、それは、相手からも同じように愛されながら、困難な世界に二人で立ち向かい、ともに一つの運命を生き抜くという確信を与えるものだと考えています。ヘーゲルの哲学はとかく難しいとされるが、そのヘーゲルと私の恋愛観が一致するとは!

●ボーヴォワール

ボーヴォワールは、男性にとって恋愛はあくまでも人生に彩りを加えるものに留まるのに対し、女性にとって恋愛は、しばしばその人生の全てになると述べています。そして、本来の恋愛を取り戻すためには、女性が主体性を持って生きること、具体的には、女性が経済的に自立し、男性に頼ることなく生活できる状況が必要と主張しています。