榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

森鴎外は、作品に登場させる植物に誤記がないように、牧野富太郎に教えを乞うていた・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3354)】

【読書クラブ 本好きですか? 2024年6月16日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3354)

田んぼの生き物観察会に参加しました。ミズヒマワリ(写真1)、ハルジオン(写真2)、ハルジオンで吸蜜するベニシジミ(写真3)、アカボシツリフネソウ(写真4、5)、ユウゲショウ(写真6)、アカツメクサ(別名:ムラサキツメクサ。写真7)、クサフジ(写真8)、ハンゲショウ(写真9)、タイサンボク(写真10、11)、カラスの古巣(写真12)をカメラに収めました。

閑話休題、森鴎外の作品はかなり読んでいるつもりだが、迂闊にも、鴎外が植物好きということには気がつきませんでした。

鴎外の花』(青木宏一郎著、八坂書房)を読んで、鴎外が植物大好き人間であったことが分かりました。

●鴎外の著作には、400種以上の植物、延べ1500種の植物名が記されている。

●最も多く記されている花はスミレである。

●鴎外の『伊澤蘭軒』には、実に127も植物が記されている。

●鴎外は、作品に登場させる植物に誤記がないように、当時の最高識者である牧野富太郎に教えを乞うた。

●鴎外は、句会に同席するなど交流が深い正岡子規に花の種を送り、ガーデニングを勧めた。

●鴎外の『花暦』には、自邸・観潮楼の68種の開花状況が記されている。

●鴎外は日記に、気になった植物を記している。

●鴎外は日記に「園を治す」と記しているが、彼は土いじり・植物とのふれあいで心を癒やしていた。

●鴎外は妻、妹、弟、息子、友人などへの書簡に、花のことを記している。