榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

おかげで、ミステリアスな本が見つかりました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3407)】

【読書の森 2024年8月11日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3407)

ハス(写真1、2)が咲いています。ナス(写真3、4)、カボチャ(写真5)が花と実を付けています。ゴーヤー(写真6~8)、キュウリ(写真9)、トマト(写真10)、ホオズキ(写真11)が実を付けています。キノコ(写真12、13)が生えています。因みに、本日の歩数は11,813でした。

閑話休題、『私たちは本でできている――センスを磨く読書生活』(奥村くみ著、オレンジページ)は、本を巡るエッセイ集です。

「田舎に旗を立てること」では、白洲正子の『夕顔』の一節、<田舎に住んで、まともな生活をしている人々を、私は尊敬こそすれ、田舎者とはいわない。都会の中で恥も外聞もなくふるまう人種を、イナカモンと呼ぶのである>を引用し、快哉を叫んでいます。

「大人女性の読書術」では、物語の最後の数行を読むのが、日没にかかる美しい夕暮の時間や、朝日がきらきらと差し込む瞬間に重なったら最高と語っています。男の私にも、この気持ち、分かるなあ。

「ミステリアスは無理だけど」では、目下のところ、著者の最大のテーマは、いかに老いるかだと吐露しています。まさにミステリアスという表現がぴったりの老齢マダム、サンフランシスコ郊外の老人ホームに暮らす80代のアルマが登場する『日本人の恋びと』(イサベル・アジェンデ著)が取り上げられています。ひょんなことからアルマの世話をすることになった若きイリーナと、アルマの孫のセツ。この「若いふたりがなぜこれほどまでにアルマという人間に惹かれ、過去を知りたい、謎に迫りたいと思うのか? それはやはり彼女の存在自体がミステリアスだから」と言われては、『日本人の恋びと』を読まずに済ますわけにはいきませんね。