榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

愛する男から、君は臭いと言われたら、あなたならどうする?・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3472)】

【読書の森 2024年10月11日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3472)

今日は幸運に恵まれた一日でした。フジバカマ(写真1、2)が群生している場所で3時間粘った甲斐があり、幸運にも、突然、アサギマダラの雄(写真3、4)が出現しました。撮影直後、上昇気流を利用して上空高く舞い上がり、南東方向へ飛び去ってしまいました。その近くで、メスグロヒョウモンの雌(写真5、6)をカメラに収めることができました――第2の幸運。その近くの水辺で、ミゾソバ(写真7)が咲いているではありませんか――第3の幸運。因みに、本日の歩数は11,296でした。

閑話休題、短篇集『あなたならどうする』(井上荒野著、文春文庫)に収められている『あなたならどうする』は、文字どおり、あなたならどうする、と私たちに迫ってくる作品です。

外車を売る営業マンの夫と8歳の息子を家に置いて、一郎さんに誘われ紅花畑・紅花製品縫製場にやって来た「私」は35歳。私はここでもう1年6ヶ月暮らしています。毎深夜、女棟の私の部屋に忍んできてくれていた一郎さんが、ここ13日間は訪れてきません。信じたくないけど、ここに新しくやって来た23歳の薫ちゃんと親しくしているようです。

我慢し切れなくなった私は、その夜、薫ちゃんの部屋に忍びこもうとする一郎さんに声をかけます。そうしたら、「君は臭い。魂が腐ってるせいだ。欲望だけの女だからだ。君という女には、ほかに何もない。付き合いきれない」と言われてしまいます。あなたならどうする?