ベートーヴェンの「運命」の第1楽章の冒頭部分が鳴り響く、連城三紀彦の推理短篇・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3494)】
【読書の森 2024年11月2日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3494)
一昨日の町会のハロウィーンは子供たちが大喜びだったと、世話役から報告がありました。「玄関からお面のおじさんが・・・」とのキャプション付きで我が家の写真も掲載されています。
閑話休題、推理連作短篇集『運命の八分休符』(連城三紀彦著、文春文庫)に収められている『運命の八分休符』は、全篇を通じて、ルドヴィッヒ・ファン・ベートーヴェンの「運命」の第1楽章のミミミド――、レレレシ――が鳴り響きます。
トップ・モデルの白都サリが絞殺され、トップを争うライヴァルの波木装子と、サリの恋人の人気デザイナー井縫レイジに犯人の疑いがかかります。
アリバイのない装子は、冴えない風姿の田沢軍平の助けを借りて、鉄壁のアリバイを誇るレイジの
アリバイ崩しに取りかかります。
果たして、その結果は、いかに。
恥ずかしながら、本作品のおかげで、「運命」の第1楽章の楽譜には、八分音符が連続する前に八分休符が書き込まれていることを、初めて知りました。