本書のおかげで、読みたい本が7冊見つかりました・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3522)】
往復5時間かけて訪れた甲斐があり、千葉・佐倉のDIC川村記念美術館の庭園の池でオシドリの20羽ほどの群れをカメラに収めることができました。因みに、本日の歩数は11,656でした。
閑話休題、『世界の古典 必読の名作・傑作200冊―― 一生モノの教養が身につく』(佐藤優監修、宝島社)のおかげで、読みたい本が7冊見つかりました。
●『謀略――現代に生きる明石工作とゾルゲ事件』(大橋武夫著)
大日本帝国陸軍の元中佐が執筆した謀略工作の入門書ともいうべき一冊。「国を揺さぶるには大衆から」という鉄則。
●『最終戦争論』(石原莞爾著)
戦争こそが世界平和の実現に不可欠であり、その未来には恒久平和がある。戦争が究極的に行き着く先は恒久の平和なのか。
「世界平和とは多くの犠牲の上に成り立つ、戦争こそ平和もたらす手段だという石原の考えは、先の世界大戦で多くの人命を奪った。その代償は計りしれない。時代の失敗として一度は読むべきテキストである」。
●『貧乏物語』(河上肇著)
産業資本主義社会が生み出す「絶対的貧困」。富裕層こそが態度を変えなければ解決しない。絶対的貧困の克服は個人の努力では不可能。
「絶対的貧困の克服は貧困者個人の努力では不可能であるという彼の主張は、現代においても説得力を持つ」。
●『セメント樽の中の手紙』(葉山嘉樹著)
労働者たちの苦しみの叫びを文学へと昇華。働く者のリアルは時代を超える。プロレタリア文学の代表作。
「セメント工はクラッシャーに嵌り、石とともに砕かれ焼かれるという凄絶な最期を迎えていた。彼女は、セメントとなった自身の恋人がどこでどのように使われるのかをぜひ教えてほしいと手紙で訴えていた」。
●『存在の耐えられない軽さ』(ミラン・クンデラ著)
ニーチェの解釈から始まる革新的な書き出し。政治・思想・哲学・恋愛が複雑に絡み合う。社会主義の国のリアルを恋愛模様を通して描く。
●『第三の男』(グレアム・グリーン著)
適度に悪人でありつつ信頼関係構築のスキルも必要。スパイ小説に学ぶインテリジェンスの妙。スパイ経験者の描くスパイ小説。
「結末など一部に映画と異なるところもあるので映画とともに比べてみるのも面白い読書体験となるだろう」。
●『孤独の賭け』(五味川純平著)
ライフワーク『戦争と人間』へ至る懸け橋的作品。人間関係の刹那的な破壊力を描く筆致は圧巻。人間描写に五味川の試行錯誤が見える。
「五味川の2つの大作の狭間で生まれた本書は、人間関係、とくに男女関係における刹那的な破壊力を学ぶのに最適な一冊だといえよう」。「2つの大作」とは、『人間の條件』と『戦争と人間』を指しています。