必要だとは思うけど、防災に取り組む余裕はないんです・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3611)】
【読書の森 2025年2月23日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3611)
先日、町会が開催した防災訓練に参加し、ABC粉末消火器の使い方を実習し、起震車内の装置で震度7の激しさを実感することができました。別の日の町会の発電機操作の講習会にも参加しました。不器用な私だが、実際に操作を体験することで自信が持てました。
必要だとは思うけど、防災に取り組む余裕はないんです。そういう人たち向けの本が登場しました。『ラクして備える ながら防災――フェーズフリーな暮らし方』(CAMMOC著、辰巳出版)を読むと、仕事をしながら、子育てをしながら、暮らしを整えながら、快適さや便利さ、心地よさを求めて、「一石何鳥」にもなる防災の方法があることに気づかされます。
著者のいう「フェーズフリー」とは、日常(平常時)と非常(災害時)のフェーズをなくし、「いつも」の暮らしを豊かにするものが、「もしも」の時も役立ち支えてくれるという考え方です。日常の備えがあれば、改めて防災に取り組まなくても大丈夫というのです。
「たとえば、普段から部屋が片付いていると掃除がラクになり、子供が安全に遊べて、さらに避難経路の確保にもなります。カップ麺やお菓子の買い置きは非常時の備蓄に」。
使用しているものを買い置きし、期限の古いものから消費して補充する「ローリングストック」は、普段の買い物で一定量の備蓄を保つことができる、まさにフェーズフリーな方法です。
防災の観点からも、地域との繋がりを大切にするようアドヴァイスしています。
豊富な具体例が満載の一冊です。