榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

孤島で合宿中の大学の推理小説研究会のメンバーが次々に殺されていくガチガチの本格推理小説・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3649)】

【読書の森 2025年3月31日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3649)

曇りだが、撮影助手(女房)とサクラ巡り。ソメイヨシノ(写真1~3)、イズヨシノ(写真4~6)、カスミザクラ(写真7)、オオシマザクラ(写真8~10)、ウスガサネオオシマ(写真11)、ベニユタカ(写真12、13)、ヨウコウ(写真14~17)、ヤエベニシダレ(写真18~22)が咲いています。因みに、本日の歩数は11,129でした。

閑話休題、伊予原新がテレビの読書番組で、これぞミステリと絶賛しているのを知り、早速、『十角館の殺人』(綾辻行人著、講談社文庫)を手にしました。

伊予原が褒めるだけあって、本格推理小説の道具立てが全て揃っている、我が国では珍しいガチガチの本格推理小説です。社会派推理小説嫌いの著者の本領が存分に発揮されています。

半年前に凄惨な四重殺人が起きた大分県の孤島に、K**大学の推理小説(ミステリ)研究会の7人――エラリイ、ポウ、カー、ヴァン、ルルウ、アガサ、オルツィというニックネームの男5人、女2人――が1週間の合宿で訪れます。彼らが宿泊したのは、十角形の建物、十角形のホール、十角形のテーブル、十角形の天窓、十角形の灰皿、十角形のカップという十角館でした。

そこで、ある者は絞殺、ある者は毒殺、ある者は撲殺、ある者は焼殺と次々に殺されていきます。その犯人は・・・。そのトリックは・・・。その動機は・・・。

どんでん返し、また、どんでん返しと息をつく暇(いとま)もありません。

それにしても、本格推理小説というのは、書くほうも、読むほうも、本当に脳細胞が疲労しますね!