榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

訪れたくなる山城が次から次へと・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3860)】

【読書の森 2025年10月17日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3860)

植え付け面積が昨年の倍に拡大されたフジバカマ畑で、数頭のアサギマダラが飛び交っています。アサギマダラの雄(写真1~6)、アゲハチョウ(写真7~9)、モンキチョウ(写真10)、不鮮明だが、キセキレイ(写真11、12)、ハクセキレイ(写真13)をカメラに収めました。因みに、本日の歩数は11,202でした。

閑話休題、『戦国の山城を極める 厳選22城』(加藤理文・中井均著、学研プラス)には、訪れたくなる山城が多数収録されています。

「我が国には、3~4万の城跡があるといわれます。その99%までが、土の城でした。自然の天嶮である山や丘陵を切り盛りし、居住や駐屯のための平坦地(曲輪)を造成し、敵を内部に入れないようにするための堀を掘り、余った土を盛り上げて土塁としたのです。そこには、白亜の天守もなければ、高い石垣、広い水堀もありません。文字通り、『土から成る』土木事業による施設だったのです」。

●高取城(奈良県高市郡)――近世まで存続し続け、「日本最強の城」に選ばれた山城
南北朝期に遡る、高低差日本一の山城です。

●金山城(群馬県太田市)――整備・復元された特異な石垣と巨大な2つの池が残る山城

●八王子城(東京都八王子市)――華麗な御主殿跡と対豊臣に備えた防衛ラインが残る城
後北条氏が要害の地に築いた居城です。

●七尾城(石川県七尾市)――標高305mの地にあり、「天宮」と呼ばれた能登が誇る巨大山城

●虚空蔵山城(長野県松本市)――信濃で発見された石垣造りの巨大山城
松本市教育委員会の発掘調査により、虚空蔵山が巨大な山城であることが判明しました。

●岐阜城(岐阜県岐阜市)――織田信長「天下布武」の城

●丸子城(静岡県静岡市)――駿府防衛の要として、強固な防備で固められた山城

●観音寺城(滋賀県近江八幡市)――日本最大の石垣造りによる戦国の城
居城として利用された珍しい山城です。

●周山城(京都府京都市)――京都北西の山間部に残る総石垣の巨大山城
明智光秀が丹波の要衝に築城しました。

高取城、岐阜城、周山城などは「赤色立体地図」で示されています。これは地形の立体表現手法の一つで、地表面の傾きの量を算出し、その大きさを赤色の彩度で表していきます。傾斜が急な面が赤く、尾根は明るく谷が暗くなるように表され、微細な地形の特徴を把握することに優れています。一枚の画像でさまざまな地形を細かく立体的に表現できるのが大きな特徴です。線も記号も光影も使わないで、地形が一枚の地図で立体的に見える表現技法です。私は「赤色立体地図」という優れ物を、本書で初めて知りました。