イギリスの緑なす丘陵地帯の巨大な白馬の地上絵は、なぜ、どのようにして描かれたのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3903)】
【読書の森 2025年11月29日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3903)
サザンカ(写真1~3)が咲いています。イチョウ(写真4、5)が黄葉しています。ホオノキ(写真6、7)が落葉しています。ワタ(写真8、9)の実が弾け、木綿になる白い綿毛が収穫できる段階を迎えています。











閑話休題、イギリス・バークシャーの緑なす丘陵地帯に、地肌の白い土を露出させて描いた、巨大な白馬の地上絵があります。古代ケルト人の手になるその地上絵は、力強く美しく、躍動感に溢れています。この白馬は、なぜ、どのようにして描かれたのでしょうか。
この答えを想像力豊かに紡ぎ出したのが、『ケルトの白馬』(ローズマリー・サトクリフ著、灰島かり訳、ほるぶ出版)です。
馬を飼育するイケニ族の族長の三男ルブリン・デュ。イケニ族は、南から攻めてきた4倍の勢力のアトレバテース族との戦いで木っ端微塵にされ、父の族長、兄たちは殺されてしまいます。
一族の生き残りと共に捕虜となったルブリンは、アトレバテース族の族長クラドックから、馬を生き生きと描く才能を認められ、アトレバテース族の栄光を讃える、緑の丘の斜面に広がる白い馬を描くよう命じられます。
ルブリンはクラドックに、「もし望みどおりの馬を作ることができたら、わが一族の生き残りを自由の身にしてほしい。どこかよその土地で馬を飼うことができるように、雄馬と仔を産める雌馬とを分けてくれ」という条件を出します。クラドックがこの条件を受け容れたため、翌日からルブリンは困難な大仕事に取りかかります。
やがて・・・。
この後のことは、胸が詰まって書き続けることができません。
