榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

最近、急激に存在感を増しているFinTechとは何か・・・【情熱的読書人間のないしょ話(318)】

【amazon 『FinTech革命』 カスタマーレビュー 2016年3月11日】 情熱的読書人間のないしょ話(318)

散策中に、満開のツバキカンザクラ、ちらほら咲いているシュゼンジカンザクラを見つけました。カワヅザクラも未だ頑張っています。この時期は、これらカンザクラ系の独壇場ですね。清潔感のある白花のジンチョウゲが芳香を漂わせています。因みに、本日の歩数は10,193でした。

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閑話休題、最近、急速に存在感を増しているFinTechのことを知りたくて、『FinTech革命――テクノロジーが溶かす金融の常識』(日経コンピュータ編集、日経BP社)を手にしました。

現在、世界の、そして日本の金融の世界で何が起こっているのか、FinTechの最前線はどうなっているのか、今後、どういう方向に進んでいくのか――を、手っ取り早く理解することができました。

FinTechとは、API(=アプリケーション・プログラミング・インタフェイス。他のシステムに機能を提供する規約で、イメージは「外に開かれたドア」。サービスを跨いでデータが流通し易くなるのがメリット)、AI(=人工知能。コンピュータで人間の知能に近い機能を実現するシステム。脳神経細胞を模擬的に再現するなどして認識精度が大幅に向上したため、利用が進んでいる)、BLOCKCHAIN(=複数のシステムで取り引き履歴を分散管理することで、データの改竄をほぼ不可能にしたデータ・ベースの技術。取り引きの記録をブロックに入れて数珠繋ぎにして扱うことからこう呼ばれている)――の3つの技術を掛け合わせたものだというのです。

FinTechでできるようになることが列挙されています。①個人財務管理(あちこちの銀行やクレジット・カードの利用履歴をスマホに集約)、②融資(決済データなどを基に人工知能が自動的に運転資金を貸し出し)、③決済(スマホを財布やPOSレジに変身させることで、個人も企業も買い物で新体験)、④投資支援(人工知能に資産の運用を託すことで、株や債券の取り引きを全自動化)、⑤経営・業務支援(会計や給与計算など、企業に関わる煩雑な業務を効率化)、⑥暗号通貨(暗号を使った新しい形の通貨を用いることで、銀行網に頼らず送金)――の6つです。

「金融とテクノロジーをかけ算して、新たな価値を生み出す『FinTech』。米国発の革命に、世界中の金融機関が揺れている。台頭する金融スタートアップ企業が、新技術を引っさげ、斬新なサービスを提案。すでに一部の消費者や投資家に受け入れられつつある。当然のようにヒト・モノ・カネが流れ込み、狂騒曲のごとく市場が沸いている」。

「金融サービスは金融機関が扱う、という常識は過去のものだ。ITが生み出す金融サービス『FinTech』が、世界の金融業界を席巻している。けん引するのはITベンチャーやネット企業。テクノロジーを武器に、未開拓だった金融需要を次々に掘り起こし、金融業界に揺さぶりをかける。決済分野で始まったFinTechの成果は、融資事業や個人の資産管理に広がる。銀行などの金融機関は、果実を取り込もうと動き出す。ビットコインをはじめとする暗号通貨の進化も止まらない」。