榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

手の届く所に並んでいる辞書類の隣に『詳説 日本史B』が加わった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(450)】

【amazon 『詳説 日本史B』 カスタマーレビュー 2016年7月12日】 情熱的読書人間のないしょ話(450)

私がものを書くときは、手の届く所に並んでいる辞書たちの助けを借りています。今回、その端っこに『詳説 日本史B』と『詳説 世界史B』という高校教科書が加わりました。つい先日読んだ『51歳からの読書術――本当の読書は中年を過ぎてから』(永江朗著、六燿社)で、著者が手の届く所にこの2冊を置いていることを知り、早速、真似したというわけです。庭の水撒きを終えて戻ってきた女房から、「うちのアサガオも遂に咲き出したわよ」との報告がありました。矮性の薄紫色のアサガオが一輪だけ花を付けています。

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詳説 日本史B』(笹山晴生・佐藤信・五味文彦・高埜利彦著、山川出版社)にざっと目を通してみて、3つのことに気づきました。

第1は、私たちが学んだ時代の教科書には必ず載っていた聖徳太子、源頼朝、足利尊氏、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの人物肖像画が一切見当たらないこと。

第2は、学界でいろいろな異説がある事項についても、概ね定説が採用されていること。しかし、「厩戸王(聖徳太子)」、「(光仁)天皇と渡来系氏族の血を引く高野新笠とのあいだに生まれた桓武天皇」といった新しい表現も見られること。

第3は、魏志倭人伝、楽市令、太閤検地、刀狩令、バテレン追放令などの原文が収録されていること。さらに、保元の乱関係図、平治の乱関係図、鎌倉時代の新仏教の宗派一覧、応仁の乱の対立関係、江戸時代の儒学者系統図、洋学者系統図、国学者系統図、主な藩校(藩学)、主な私塾などの表や図が掲載されていること。

本書とは、これから長く付き合っていけそうです。