榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

日本には33種・亜種ものドジョウが棲息しているんだって・・・【情熱的読書人間のないしょ話(764)】

【amazon 『日本のドジョウ』 カスタマーレビュー 2017年5月26日】 情熱的読書人間のないしょ話(764)

昨晩の、若い人たちとの情報・意見交換は大いに盛り上がりました。雨が上がったので、散策に出かけました。ブラシノキがブラシ状の赤い花を咲かせています。1株のサツキが白色、薄桃色、橙色と咲き分けています。アルストロメリアが群生しています。因みに、本日の歩数は10,506でした。

閑話休題、私は田んぼや小川で目にするドジョウに親しみを感じる人間ですが、『日本のドジョウ――形態・生態・文化と図鑑』(中島淳文、内山りゅう写真、山と溪谷社)には驚かされました。

何と、日本列島には33種・亜種ものドジョウが棲息しているというのです。「南北に細長く複雑な地史をもつ日本列島には、30種類以上の多種多様なドジョウの仲間が暮らしており、とても多様性の高い地域です。これら各地域に生息するドジョウたちは、数千万年という長い長い歴史の過程で、まさに奇跡的に、少しずつ進化をして、現代の日本列島において今なお生き続けています。・・・残念ながら日本列島のドジョウ類のうち、いくつかの種類はすでに絶滅あるいは絶滅に瀕しており、非常に危機的な状況になっています」。

日本のドジョウと紛らわしい中国大陸のドジョウについては、こう記されています。「近年、日本各地で中国産のドジョウの定着が確認されている。いずれも食用や釣り餌用に輸入・販売されているものが放流されたことが原因である。在来のドジョウとは交雑する可能性もあり、販売されているドジョウを野外に放流することは決してしてはならない。中国産ドジョウは現在のところ日本産と同種として扱われているが、遺伝的に明瞭に異なるほか、金属光沢がより強いことや、尾柄の膜鰭がより発達すること、背鰭分枝軟条数が多い傾向であることなどの形態的な違いも認められる。早急な分類学的研究が必要である」。

私のような門外漢は、本書のような専門的著作の深く濃い内容に接すると、ただただ感心するばかりです。