榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

春、夏、秋、冬に一度は訪れたい絶景駅の写真集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(988)】

【amazon 『生涯一度は行きたい 春夏秋冬の絶景駅100選』 カスターレビュー 2018年1月5日】 情熱的読書人間のないしょ話(988)

あちこちで、外側の花弁が黄色で内側の花弁は茶色いロウバイが咲き始めています。外側の花弁も内側の花弁も黄色いソシンロウバイも咲き始めています。よく見かけるソシンロウバイは園芸種です。私が子供の頃は、凧揚げは男の子の正月の必須項目でしたが、近年はめっきり見かけなくなりました。

閑話休題、写真集『生涯一度は行きたい 春夏秋冬の絶景駅100選』(越信行著、山と溪谷社)には、著者が巡った日本全国の4500駅の中から選りすぐった100駅が収録されています。

サクラ、ナノハナ、スイセンに彩られる春の駅、海、山、青空に映える夏の駅、紅、橙、黄に染まる秋の駅、白銀の世界へと誘う冬の駅のそれぞれについて、その魅力が簡にして要を得た文章で説明されているので、その一番旬の季節に訪れたくなってしまいます。

「福島県の湯野上温泉駅――桜並木が彩る茅葺き屋根の木造駅舎」は、訪れたことがありますが、残念ながらサクラの季節ではなかったので、もう一度訪れたいものです。

「福井県の勝原駅――両白山地の麓で華やぐ桃源郷の駅」は、「夕やみ迫る中、桜や菜の花に囲まれた列車のテールランプが輝きを増」して、幻想的です。

「兵庫県の竹田駅――天空の竹田城址が駅舎の背後に浮かび上が」っています。

「青森県の柏農高校前駅――岩木山を望む地元高校生に愛される駅」は、「岩木山を望む駅舎が駅前の田んぼに映える」夕暮れ時が、何とも言いようのない風情を漂わせています。

「秋田県の吉沢駅――鳥海山麓の緑の絨毯の中にポツンと佇む」は、一面の緑の海原に臨む、ちっぽけな燈台のようです。

「熊本県の海路駅――霧立つ球磨川の畔にホームが佇む」は、「霧立った崖地にへばりつくようにホームと待合室だけが設けられた海路駅。道路を挟んで目の前に雄大な球磨川の流れを望む」と説明されています。数十年前、この駅の脇を通ったはずなのですが、記憶に残っていません。当時はこういう鄙びた駅に関心がなかったことが残念です。

「秋田県の羽後中里駅――マタギの山の麓にある駅に朝霧がわき上がる」。「霧に包まれた羽後中里駅を秋田内陸線のAN8800形がガタゴトと音を立てて出発して行った」写真は、霧大好き人間の私にとって垂涎物です。

「北海道の鹿討駅――十勝岳を望む雪原に佇む小さな駅」。「この日2本目の旭川行き普通列車が、凍てつく寒さの中を蒸気機関車の如く煙を巻き上げ出発して行った」とありますが、雪原の中、煙を吐きながら走る列車というのは、私の一番見たい光景です。

「長野県の森宮野原駅――白い雪の綿帽子をかぶったホーム屋根」は、豪雪地帯で頑張っています。

「北海道の生野駅――大雪原で生き延びる元仮乗降場は化石級」の待合所もなくホームだけの姿は、哀愁を帯びています。

行きたくても、なかなか行けない駅が多いのですが、訪れた気分がちょぴり味わえる、お得な一冊です。