榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

カンブリア爆発の数百万年前に、実は、すでに複雑な動物が出現し始めていた・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1604)】

【amazon 「日経セイエンス2019年10月号」 カスタマーレビュー 2019年9月8日】 情熱的読書人間のないしょ話(1604)

ヤブカラシの薄緑色の花弁は、開花後半日ほどで散ってしまいます。この時期になっても、モミジアオイ、ベゴニア・センパフローレンス、アカジソが頑張っています。因みに、本日の歩数は10,482でした。

閑話休題、「日経サイエンス2019年10月号」(日経サイエンス社)に掲載されている「特集 カンブリア前夜」の「エディアカラ生物の進化――生命爆発の導火線」(R・A・ウッド著、古川奈々子翻訳協力、大路樹生監修)には、驚くべきことが書かれています。

「複雑な動物、つまり分化した組織を持つ多細胞生物はカンブリア爆発で生まれたと長年考えられてきた。確かに、今日の主要な動物群の祖先を含む様々な形態の動物がカンブリア爆発期に一斉に登場している。だが、シベリアやナミビアなどでの最近の発見によって、実際にはカンブリア爆発の数百万年前、先カンブリア時代末のエディアカラ紀にすでに複雑な動物が出現し始めていたことが示されている。これらの発見の中には、鉱物化した組織からなる内骨格や外骨格を持つ、既知の中で最古の生物が含まれている。現生動物の多くに見られる内・外骨格は進化における重要な革新だ。骨格を持つ生物がはるか5億5000万年前に存在していたことは、カンブリア爆発の引き金と考えられていた生態学的圧力と環境圧が実際にはカンブリア爆発よりもずっと前に働いていたことを意味する」。

「さらに、新しい地球化学的技術が開発されてエディアカラ紀とカンブリア紀の海洋の化学組成の変化についての理解が飛躍的に進んだことなどから、カンブリア紀になぜ爆発的多様化が起こったかについてもわかり始めている。最近、新たに発見された化石と地球化学的記録のそれぞれから得られた知見が統合され、地球の生物圏と地圏、水圏、気圏(合わせて地球システムと呼ぶ)がこの時期にどのように作用していたかが示された。カンブリア爆発の何千万年も前に複雑化する生物が海底に入れ替わり立ち替わり生息し、私たちがよく知る動物の出現の準備をしていたという驚きの状況がすでに描き出されている」。

これはもう、進化の教科書を書き換えなければならないほどの大事件です。