榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

江戸の庶民になり切って、江戸の街をのんびり散歩・・・【山椒読書論(370)】

【amazon 『江戸アルキ帖』 カスタマーレビュー 2013年12月29日】 山椒読書論(370)

江戸アルキ帖』(杉浦日向子著、新潮文庫)をガイドブック代わりに、江戸の街をのんびり散歩と洒落てみよう。

現代の浮世絵師ともいうべき著者の杉浦日向子(ひなこ)が、江戸の庶民になり切って描いた127点のカラー・イラストが往時を髣髴とさせるので、読み終わる時分には、気分はすっかり江戸時代人になってしまう。

余談だが、日向子の父について、佐高信が『世界と闘う「読書術」――思想を鍛える1000冊』(佐高信・佐藤優著、集英社新書)の中で、「亡くなったけど漫画家の杉浦日向子という人がいたでしょう。あの人のお父さんというのは日本橋の呉服屋の生まれで、吉原で財産をほとんどつぶしてるんですね」と語っている。