漢詩を味わいたい気分になったとき、開く本・・・【情熱的読書人間のないしょ話(65)】
【amazon 『NHK漢詩紀行(1)』 カスタマーレビュー 2015年5月3日】
情熱的読書人間のないしょ話(65)
五月晴れの下、野鳥観察会に参加しました。森に足を踏み入れた途端に、キビタキの特徴ある美声に迎えられました。確認できた野鳥は23種と少なめでしたが、森を抜けた所でキジに出会うことができました。因みに、本日の歩数は14,197でした。
閑話休題、漢詩を味わいたい気分になり、書斎の書棚から『NHK漢詩紀行(1)』(石川忠久監修、NHK取材グループ編、山口直樹写真、日本放送出版協会)を取り出しました。
「月落烏啼霜満天(月落ち烏<からす>啼いて 霜 天に満つ) 江楓漁火対愁眠(江楓<こうふう>漁火<ぎょか> 愁眠<しゅうみん>に対す) 姑蘇城外寒山寺(姑蘇<こそ>城外の寒山寺<かんざんじ>) 夜半鐘声到客船(夜半<やはん>の鐘声<しょうせい>客船<かくせん>に到<いた>る)」という張継(ちゅうけい)の「楓橋夜泊(ふうきょうやはく)」は、とりわけ好きな漢詩です。
「月が沈み、烏が啼いて、霜の気が天に満ちわたる。岸の楓と漁火(いさりび)が、うつらうつらとする旅愁の目に映る。そこへ、蘇州郊外の寒山寺から、夜半を告げる鐘の音が、わが乗る小舟に聞こえてきた」と解説されています。
この漢詩を口ずさむと、寒山・拾得(じっとく)で有名な中国・江蘇省蘇州市の寒山寺を訪れた時の感慨がまざまざと甦ってくるのです。