日本はフランスのエリート主義を採用すべきか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(305)】
【amazon 『フランス産エリートはなぜ凄いのか』 カスタマーレビュー 2016年2月21日】
情熱的読書人間のないしょ話(305)
我が家の庭の餌台は、今日も賑わっています。中でも、メジロのカップルのかわいらしさは格別です。
閑話休題、『フランス産エリートはなぜ凄いのか』(橘木俊詔著、中公新書ラクレ)を読み終わって、エリート嫌いの私はホッとしました。なぜならば、著者自身が、日本はフランス式エリート主義を採用するよりも、日本式の「準エリート主義」でいくほうがメリットが大きいという結論に達しているからです。
本書では、フランス式エリート教育の実態が詳細に解説されています。「どこの学校を卒業したかがその人の人生を大きく決めるのが、フランスの教育制度である。グランゼコールを出た人とそうでない人のキャリアの差には大きなものがある」。「大切なのは、学位を取得することよりも、グランゼコールの入試にパスしたこと、あるいは在籍したことなのだ。もともと優秀な学生が選抜されて入学するうえ、教育の中身が濃いので、学識の高い人や技術に強い人が出てくるのである。これら選ばれし人をエリートとみなせるなら、まぎれもなくグランゼコールはエリート輩出校である。・・・その数およそ300校以上であり、中でもトップエリートを輩出する難関校は、エコール・ポリテクニク(理工科学校)、エコール・ノルマル・シュペリウール(高等師範学校)、エコール・ナショナル・ダドミニストラシオン(国立行政学院)の3校だ」。