鳥の写真そのものに見分け方が書き込まれている、待ち望んだ野鳥図鑑・・・【情熱的読書人間のないしょ話(628)】
【amazon 『ぱっと見わけ 観察を楽しむ 野鳥図鑑』 カスタマーレビュー 2016年12月28日】
情熱的読書人間のないしょ話(628)
私の好きな人物・良寛は友への見舞状の中で、「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候、死ぬる時節には死ぬがよく候、是はこれ災難をのがるる妙法にて候」と綴っています。行灯の下で読書する良寛の自画像は、味わいがあります。
閑話休題、大型書店の野鳥図鑑コーナーであれこれ品定め中に、こういうのがあったら助かるんだけどなという私の思いが見事に実現されている図鑑に遭遇し、嬉しくなりました。
『ぱっと見わけ 観察を楽しむ 野鳥図鑑』(樋口広芳監修、石田光史著、ナツメ社)の何がそんなにいいのかというと、それは3つに絞ることができます。
第1は、鳥の写真そのものに見分け方が書き込まれている点です。例えば、マガモの雄は、頭部は「光沢のある緑色」、「嘴は黄色」、首には「白い羽がリング状に生える」、尾羽は「2本がカールする」といった具合です。
第2は、雄と異なる場合は雌の羽色、夏羽と冬羽の羽色、幼鳥の羽色の写真も掲載されている点です。
第3は、特に見分け難いケースは、改めてイラストで違いが示されている点です。例えば、「カモ類のメスでよく似ている種の見わけ方」では、オカヨシガモとマガモ、キンクロハジロの嘴基部が白いタイプとスズガモが比較されています。「カワウとウミウの違い」も分かり易く説明されています。「シラサギ3種の見わけ方」、「ツミ、ハイタカ、オオタカのメスと幼鳥の見わけ」も役に立ちます。
324種が収録されている本書は、明日からのバード・ウォッチングに欠かせない必需品になりました。