榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ブリューゲルの「野外での農民の婚礼の踊り」の農婦の魅惑的なお尻・・・【情熱的読書人間のないしょ話(765)】

【amazon 『ブリューゲルの世界』 カスタマーレビュー 2017年5月27日】 情熱的読書人間のないしょ話(765)

ピーテル・ブリューゲルの「野外での農民の婚礼の踊り」は、いいですね。今日伝わる、ブリューゲル本人の像であることに異論のない唯一の肖像版画です。散策中、赤紫色のスイセンノウ、橙色のアマリリス、白色のタチアオイ、赤色のゼラニウム(テンジクアオイ)が咲いているのを見かけました。因みに、本日の歩数は10,694でした。

私の好きなブリューゲルの世界にどっぷりと浸かりたくて、『ブリューゲルの世界』(森洋子著、新潮社・とんぼの本)を手にしましたが、期待を大きく上回る充実ぶりでした。

私が心惹かれるのは、「雪中の狩人」「農民の婚宴」「野外での農民の婚礼の踊り」「農民の踊り」などの農民画です。

16世紀のフランドルの農民たちの営みが生き生きと描き出されています。「ブリューゲルは、農耕の知識をもち、勤勉で誠実に生き、労働に励む農民の姿に人間としての共感を覚えました。・・・そして、同時代の画家たちが関心をもつ、神話の神々、古代史の英雄、キリスト教の殉教者たちではなく、農民を主人公にした絵画に高い芸術性を与えたのです」。

「農民の婚宴」の、婚宴に集まっている大勢の農民たちの相貌がそれぞれ見事に描き分けられているのは、ブリューゲルが勤勉で誠実な生産者である農民一人ひとりに深い関心を抱いていたからでしょう。

「野外での農民の婚礼の踊り」の、踊りまくる農婦の躍動感溢れる逞しいお尻に魅せられ、私も一緒に踊りたくなってしまいました。