榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

年寄りの「説教」から何を学ぶか・・・【続・リーダーのための読書論(76)】

【ほぼ日刊メディカルビジネス情報源 2017年9月11日号】 続・リーダーのための読書論(76)

年寄りの説教

人生の手引き書――壁を乗り越える思考法』(渡部昇一著、扶桑社新書)の著者は、自ら本書を「老人の説教」と語っている。その人の年齢や信条に囚われず、学ぶべきことは学んでしまおうという姿勢が幸運を呼ぶのである。

逆境に立たされたとき

●敗者になったときこそ重要な「グッド・ルーザー」の思想――負けても悪足掻きせず、静かに再起を期せ。
●回り道を強いられたときこそ、目標を失わないことである。
●世間に飲まれたくないと思ったとき、プライベートな空間は重要である――独りになれる空間、時間を確保せよ。

自信を喪失しそうになったとき

●劣等感に、どう向き合うかで行く末に天と地ほどの差が出る――劣等感を、自分を成長させる起爆剤とせよ。
●大成した人は、失敗の原因を常に自分に求めている――相手を責めるよりも、失敗を繰り返さないように建設的に対処せよ。
●時代とは、いつも「大きな曲がり角にさしかかっている」のである――徒に変化を恐れず、適応力を身に付けよ。
●「心配すること」を「考えている」と思い込むのは、大きな間違いである――闇雲に心配するのではなく、難問も建設的に考えよ。

物事が思いどおりに進まないとき

●「かくありたい自分」の姿を、できるだけ細かくイメージする。
●望みを持ったなら「どうしたらできるか」を考える。それこそが第一歩。
●自分が本当にやりたいための苦労は、「楽」に通じる。
●大成したいならば、まず気配りより『頭配り』を身につけること――知力を鍛えたその上に、気配りを添えよ。
●「わかったつもり」という思い込みこそ、成長を止める危険因子である。
●真似をすることは恥ずかしいことではない。大事なことは結果である。
●建前と本音が渦巻いているのが世の中だと心得る。
●不満の解消に、神経を使ってはいけない――ブツクサと不平不満をこぼして神経をすり減らすよりも、不満の解消法を考えよ。
●厄介な嫉妬にとりつかれたとき、どうすればいいのか?――妬みを、自分を向上させるエネルギーに転換せよ。
●メディアで流布される成功体験談に、踊らされてはいけない。

重要な判断に迷ったとき

●難問にぶつかったときの決断拒否は、あやまちの中で最大のものである――決断を先延ばしにせず、覚悟を決め、行動せよ。
●「慎重な行動」の裏には、「できない理由探し」がいつも隠れている――失敗を気にし過ぎるな。
●目の前に現れたチャンスは、捕まえなければ二度と手にすることはできない!

幸運を招き寄せたいとき

●幸運は、準備された心に味方する。
●「人生最大のチャンス」は、少なくとも3回めぐってくる。
●「自分はツイている」という自己暗示が、幸運を呼び込む。
●「小さな恍惚」をいたるところで見出すことができる人は、幸せである――小さな充実感、幸福感を大切にせよ。