宇宙物理学の定説がひっくり返るかもしれない・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1446)】
我が家の近所の満開のソメイヨシノ巡りをしました。あちこちで、さまざまな色合いのハナモモが咲き競っています。ハナモモを撮影していたら、その家の女主がわざわざ根元の苗木を掘って女房に手渡してくれました。モクレンも頑張っています。因みに、本日の歩数は10,957でした。
閑話休題、「日経サイエンス2019年5月号」(日経サイエンス社)に、宇宙物理学の定説がひっくり返るかもしれないという驚くべき記事が掲載されているではありませんか。「特集 宇宙の暗黒問題」が、それです。
宇宙の真の主役は、宇宙の総エネルギーの68.3%を占める暗黒エネルギーと、26.8%を占める暗黒物質で、星や生物の素になる普通の物質は僅か4.9%を占めるにすぎません。
宇宙の加速膨張をもたらす暗黒エネルギーはエネルギー密度が時間変化しない、アルベルト・アインシュタインの「宇宙項」のような存在だと考えられているが、超弦理論の研究から、暗黒エネルギーの密度は時間変化するとの予想が得られたというのです。近い将来、この理論予想が観測によって検証されるということになれば、宇宙の将来像は大きく変わってしまいます。
この大胆な理論予想(論文「ド・ジッター空間とスワンプランド<沼地>」)を発表した大栗博司は、「暗黒エネルギーが宇宙項かどうか、インフレ―ションが本当に起きたのかどうか、これから10年くらいの間に見えてくるだろう。私たちの理論予想が正しいのか反証されるのか。非常にエキサイティングだ」と語っています。村山斉は、「予想が正しければ、超弦理論がもっともらしいということになり、超弦理論が究極の理論である可能性が高まる」と見通しています。
一方の暗黒物質については、暗黒物質が存在するという暗黒物質理論と、暗黒物質など存在しないという新たに登場した修正重力理論がせめぎ合っています。すなわち、一般相対性理論と修正重力理論の一騎討ちという様相を呈しているのです。どちらの理論が正しいかは、今後の観測で確かめられることでしょう。