榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

若かった私を打ちのめした、女の魔性を抉り出した小説・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2053)】

【読書クラブ 本好きですか? 2020年11月27日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2053)

ネリネ・ボウデニー(写真1)が花を咲かせています。キダチチョウセンアサガオ(コウテイダリア。写真2~4)、パンジー(写真5)、マリーゴールド(写真6)、ツタ(写真7)も頑張っています。因みに、本日の歩数は11,349でした。

閑話休題、『避暑地の猫』(宮本輝著、講談社文庫)は、宮本輝作品の中で一番強く印象に残る小説です。

毎年夏になると、布施金次郎・美貴子夫妻は、娘の恭子、志津を連れて軽井沢の広大な別荘にやってきます。17歳の「ほく」の両親は、ここの別荘番として雇われています。2歳年上の姉・美保と母は美しく、父は左膝が曲がらぬ体で頑張っています。そして、ある日――。ぼくは、壊れた門扉による事故に見せかけて、母をいじめる美貴子を殺してしまいます。

別荘の秘密の地下室で何が行われていたのか、徐々に、信じ難い真実が明らかにされていきます。

若かった私を打ちのめした、女の魔性を抉り出した作品です。