榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

動物の親子たちのほのぼのとした、魅力的なイラスト集・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2175)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年3月28日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2175)

我が家の庭の餌台は、連日、常連のシジュウカラ、メジロ、ヒヨドリで賑わっています。キンモクセイでは、キジバトのカップルが巣作りに励んでいます。大関から序二段まで転落した照ノ富士が引退を申し出た時、思い止まらせたのが、師匠の伊勢ヶ濵親方(元・横綱・旭富士)でした。この春場所で優勝し、念願の大関復帰を果たした照ノ富士と、優勝旗を手渡す伊勢ヶ濵の心中を思うと、瞼が熱くなってしまいました。

閑話休題、絵本『どうぶつおやこ図鑑』(マヤ・セーヴストロム著、井上舞訳、化学同人)は、著者の手になる動物の親子たちのほのぼのとした、魅力的なイラスト集です。

●タツノオトシゴ――
「タツノオトシゴは、お母さんがお父さんの袋(育児のう)に卵をうみつけるので、お父さんが 赤ちゃんをうみます」。

●コアラ――
「ユーカリの葉っぱは とってもかたいので、消化する(食べ物を吸収しやすいかたちに変えること)のがたいへん。だから、コアラの赤ちゃんは さいしょにお母さんのうんちを食べて、ユーカリを消化するための微生物(とってもちいさな生き物)をお母さんから もらいます」。

●ヤドクガエル――
「ヤドクガエルのお父さんは、お母さんが卵をうむと、卵がひからびてしまわないよう せっせとおしっこをかけます」。

●ヒグマ――
「ヒグマのオスは、メスが自分の子どもではない子グマといっしょにいるのを見つけると、子グマをこうげきすることがあります。だからメスは、いろんなオスとこうび(子どもをつくること)します。そうすれば、オスはみんな、自分こそ子グマのお父さんだと思いますからね。おなじお母さんから おなじときにうまれた子グマでも、それぞれお父さんがちがうなんてこともあります!」。

●コクチョウ――
「コクチョウのつがいの4分の1は おなじ性別どうしなんだそう! オスどうしのつがいには子どもができないので、短いあいだだけ、メスのコクチョウといっしょになることがあります。ヒナがうまれると、メスを追いだして 自分たちだけで子育てするんですよ。オスとメスのつがいが育てたヒナよりも、オスどうしのつがいが育てたヒナのほうが、大きくなるまで生きのこる確率が 高いことが、研究によってわかっています」。

●テンレック――
「テンレックは、ハリネズミによく似た マダガスカルうまれの動物です。お母さんは、いちどに32匹もの赤ちゃんを うむことができるんですよ。おおぜいの赤ちゃんを育てるために、お母さんのおなかには お乳が29個もついています!」。