犬飼武・犬飼篤子夫妻の短歌が心に沁みる・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2186)】
【読書クラブ 本好きですか? 2021年4月8日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2186)
レッドロビン(写真1、2)が赤い新葉を付けています。ドウダンツツジ(写真3)、ミツバツツジ(写真4)、ヤマブキ(写真5~8)、シロヤマブキ(写真9~11)、スノウフレイク(スズランズイセン。写真12、13)が咲いています。夕刻、突如、大音声の雷鳴が轟き、雹(写真14、15)がばちばちと音を立てて降ってきました。
閑話休題、『古本愛好家の読書日録』(高橋輝次著、論創社)の中で、著者が高く評価している短歌集『小徑集』(犬飼武・犬飼篤子著、初音書房)を無性に読みたくなってしまいました。入手は不可能と分かったが、国会図書館所蔵の『小徑集』を、柏市立図書館本館のパソコンで読むことができました。
とりわけ、私の心に沁みた短歌を挙げてみます。
犬飼武の歌――
●み佛は女體にますやおん肩の線嫋々と妖しきまでに
●月光の下を来りし人ひとり少女ならねどにほやかに坐す
●千種川妻をいだきてわたりたる凍夜の声が今きこゆがに
●精神姦通すでに犯せる君らなり淙々とは響かぬ水流れゐて
犬飼篤子の歌――
●息せきて帰り来し夫にまむかひてはりつめしこころよわらむとする
●会場を出てくつろぐこころもろ乳の張りくる痛みを
●うかららの責おもき夫の気づかひに思ひいたるはさびしかりけり
●をさな児らい寝しづまりて今日ひと日ふれざりしこと夫よりいひ出づ