英語圏で注目を集める日本の女性作家たち・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2243)】
ホンコンエンシス(常緑ヤマボウシ。写真1~5)が薄黄緑色の総苞をびっしりと付けています。アジサイの仲間のアナベル(写真6、7)は、まるで大きな白い毬のようです。我が家の庭では、ガクアジサイ(写真8、9)が色づいてきました。
閑話休題、私にとって、『コンビニ人間』(村田沙耶香著、文春文庫)は、一言で言うと、不思議な味わいの作品です。
今回、『文芸ピープル――「好き」を仕事にする人々』(辛島デイヴィッド著、講談社)を読んで、『コンビニ人間』が英語圏で高評価を得ていることを知りました。
「ここ数年、日本の女性作家が英語圏で注目を集めている。2018年には、村田沙耶香『コンビニ人間』の英訳がニューヨーカー誌など十数誌で『ブック・オブ・ザ・イヤー』に選ばれ、多和田葉子『献灯使』の英訳が全米図書賞を翻訳文学部門で受賞した。2019年には、英米で『センセイの鞄』がロングセラー化している川上弘美の作品が新たに2冊刊行され、小川洋子『密やかな結晶』の英訳が全米図書賞翻訳文学部門の最終候補になり、つい先日ブッカー国際賞の最終候補にも選ばれた。2020年もこの勢いは止まりそうにない。日本の女性作家による小説の英訳が毎月のように刊行される予定だ」。
「『コンビニ人間』の商業的成功が日本の女性作家の作品がベストセラーになる可能性を英語圏の出版社に示した。・・・(村田の)『凄まじい想像力』は英語圏でも突出していると言う。そして、日本の女性や日本的なテーマについて書いていながらも、その作品には世界の読者に訴える普遍性もあると。魅力のひとつは、現実を直視しながらもすぐに人を判断しない姿勢。そしてさりげないユーモアだ」。
村田が、日本のみならず、英語圏の出版社や読者にも受け容れられていると知ったからには、村田の作品に注目しないわけにはいきませんね。